行動
ノアが自分の主であるルガンへの不満をひとしきりに言い終えると共に、自己紹介も終えた頃。
「それで、です……そろそろ私がルガンの方から受け取った依頼についての話に移っていいですか?」
森の洋館にいる天使は口を開く。
そんな彼女の前にいるのはアレイス、ゼノ、ノアの女の子三人組である。
「……うぅ、すまない。俺があらぶっていたせいで話を送らせてしまった」
「いえいえ、全然大丈夫ですよ。これくらいであれば問題ありません。それで、ですが今回ノアさんも含めて集まってもらったのは私が女神様経由でルガン様の依頼を受け取ったからになります」
「……一応説明されたけど未だに女神様とか天使様とか、未だに信じられない。しかも、それを相手にルガンが大きな顔をしているのだろう?本当にわからない」
天使の言葉に対してノアはぼそりと独り言を漏らす、。
「その依頼の内容ですが」
それを無視して天使は話を進めていく。
「魔族との全面衝突だそうです。ルガン様主導で行っていた各拠点の攻撃と締め上げに看過できないほどの損害を被っている魔族は一度、一つの拠点に固まり、ありとあらゆる攻撃にも対応できるようにするとのこと。それでルガン様はこの際だからと一気に蹴りをつけてしまわれるようです」
天使は簡単に淡々と説明を加えていく。
「なるほど……」
アレイスが天使の言葉に深く頷く。
「ここで一気に魔族を叩き潰してしまおうというわけね」
納得が言ったように頷くアレイスの言葉。
「いえ、違うらしいですよ?」
それをあっさりと天使は否定していく。
「えっ?」
「ルガン様はただの陽動であると言っていましたよ」
「……陽動?」
天使の言葉にアレイスが首をかしげる。
「えぇ、そうです。ですが、あまり深くは関わらないという話でしたよ」
「……そうなの?」
「はい。そうらしいです……あまり詳しいことは知りません。私にも全然話してくれないので……」
アレイスの言葉に天使はそっと視線を外しながら答える。
「ただ、とりあえず私たちは頑張って人類の敵である魔族を倒すだけです」
そんな中でも、天使はそう話すのであった。
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