戦闘
魔族たちが一斉に向けてきた攻撃たち。
弓矢に、魔法に、自分の元へとやってくるのは多くの飛び道具である。
「甘いわっ!」
それをアレイスは結界魔法を張巡らせることで対抗する。
「……っ」
そんなアイレスに対して、ゼアは圧倒的な速度を活かして攻撃の全てを避けるという離れ業で魔族との距離を詰めていく。
「……」
ちなみに僕は特に何もすることはなく敵の攻撃を受けて普通に自分の皮膚ではじき返した。
「よっと」
そればかりかこの場に魔法で椅子と机を出してティーセットを広げる始末。
今回、僕は完全に戦闘を二人に任せ、自分は楽するつもりであった。
「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああああああああああああああ!!!!死に晒しなさいっ!魔族どもがぁっ!」
「クソっ!?この女強いぞっ!」
「立ち向かえっ!立ち向かえッ!」
「ったれがぁっ!」
アイレスと魔族はぶつかり合い、魔法を絡めたド派手な戦闘を繰り広げていく。
「……ぁ」
「ど、どこに行きやがったっ!?」
「う、後ろだぁぁぁぁぁぁあああああああああああ!」
「あっ!?」
「クソっ!ちょこまかとっ!」
それに対してゼアはここでもスピード勝負である。圧倒的な速度で敵との距離を詰めて魔族の首を一方的に落としていく。
そこの手腕に一切の無駄がない。
本当に綺麗な戦い方だった。
「……ふむ」
ゼアは中々に面白い成長をしているようだ。
バランス的に伸ばすのではなく速攻と火力。格上を叩くよりも格下を叩くことを想定した力関係。
どうやら、女神と天使は本気でゼアを邪神への札とすることを辞めたらしい。
邪神はもう封印を強めるだけで良いな。
わざわざ自分が命を懸けて邪神と命を懸けた激闘を繰り広げたいとはまったくもって思わない。
「やはりこの茶葉は素晴らしい」
そんなことを考える僕はとりあえず、自分が淹れた紅茶の出来に対して満足げに頷くのだった。
このまま二人に任せても魔族は殲滅してくれるだろう。楽で結構。何よりである。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます