納得
訪れていたカオスの時。
それが晴れるのもかなり早い時間帯だった。
「……なんとなく、渋々ではありますが飲み込むことが出来ました」
カオスを晴らしたのはゼノの言葉である。
「この世界は邪神が復活間近で、それに伴って邪なるものに属する者たちも動き出している……私にはそれらへと対抗する特別な才能がある。はっきりに言って、にわかには信じ難い話です。これを話しているのが姿も見えない女神を名乗る声に、天使を自称するヤバい人だったりですから」
「はぅん」
ゼノが始まるまで説教されていた天使が随分と情けない声を上げる。
「ですが、ルガンのことを、考えると違ってきます」
「ほう?」
「……いきなり、私のような平民を明らかな貴族様が助けに来るなんて普通はありえませんから。そういう、特別な理由があるのだとしたら理解します」
「……確かにな」
僕はゼノの言葉に頷く。
自分が迎えにいくなんてめったなことではない。
それは何も僕だけではなく、すべての貴族がそうであろう。
「ですから、私がすべきこともなんとなくわかりました……ルガンのサポートをすればよい!ってことですよね?」
ゼノが最終的に辿り着いた結論。
それは僕のサポートをすればよいなどという見当違いのものであった。
「違うよ」
それを僕は一瞬で否定する。
「ど、どうして!?私じゃ駄目なのっ!?」
そんな僕の拒絶の言葉にゼノが驚きと共に声を上げる。
「どうしてですか!?ゼノ様!それであっていますよ!なので、胸を張ってください!貴方は何も間違えていませんっ!」
『そうですよ!ゼノ様!それで良いのです!ルガン様と一緒に頑張るのです!』
「えぇい!うるさいぞ、二人ぃぃぃぃぃいいいいいいいいいいいいいいい!!!僕は未だにおっけーだしたことないだろうがぁっ!」
僕はやいのやいの言ってくる天使と女神の言葉をダブルで却下する。
「僕は働きたくないっ!それが僕のファイナルアンサーだよぉ!」
そして、そのまま僕は絶対の意思でもって拒絶を示すのだった。
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