ゲーム
さて、いきなりだが……この世界における、元となったゲームとは何であろうか。
ルガン・カエサルを悪役としたゲーム『エルピスの伝説』。
そのストーリーはどのようなものであったか、知っている人はどれだけいただろうか?結構な人がインストールしているゲームだったから知っている人もかなり多いだろう。
凄まじく簡略化してざっくり言うと、主人公が世直しの旅を行う話である。
悪魔とかいう人間の悪意に巣喰らい、その悪意を増幅させる存在がいる世界において、主人公は神様からの啓示を受ける。
その啓示とは世界を悪くしている元凶である悪魔を倒せという簡潔なもの。
主人公はその啓示を受け、啓示をもってきた天使と共に旅へと出るのだ。
ちなみにルガン・カエサルは悪魔とか関係なく好き放題暴れて圧倒的な力で多くの災禍を齎し、主人公にドン引かれるキャラだ。
僕はあそこまで狂ったことはできないわな。
「……」
さて、突然なんで僕がいきなりゲームの話をし始めたのでしょーか?
「……何、しに来やがったぁ。ボケェ」
それは主人公の元に現れて啓示を齎すはずの天使様が自分の元にやってきたからだね!クソがっ!?なんで来るねんっ!?」
「さ、さっきも言ったじゃない!貴方にこの世に巣喰らうあく」
「断る」
僕はこたつに入ったまま断固拒否の意思を示す。
もう話を聞くまでもない。
「せ、せめて話くらいは聞いてよ!」
僕の前でふよふよと浮いている天使様。
普通に人間サイズの女の子だ。
肩の高さに揃えられた綺麗な青髪にこれまた青い瞳。着ている服も少しだけ豪華ではあるがそこまで変でもない水色のドレスだ。
それでも頭の上にある天使の輪と大きな翼が彼女が人ではないことを示している。
「……聞くまでもない。要は人間の悪意に巣喰らう悪魔を倒して回って欲しいと言う話でしょう?」
「えっ?」
「嫌だよ。面倒な。例え、もうすぐ悪魔たちが人々の悪意を集め終え、かつて封印していたはずの邪神が復活するとしても、僕には関係ないね!だって、復活するのは少なくとも百年は先だろう?そのころには、死んでいるだろうし。後世のことなんて知ったことじゃないね」
「な、なんでそこまで人間が知っているのっ!?」
「あぁ?知っているに決まっているだろうが。神様に連絡しておけ。便利そうな手駒は貴方の為になりません!ってな。帰れ、帰れ。僕はしばらくこたつから出るつもりなんてないから」
「えぇぇぇぇっ!?」
僕は驚愕する天使に対して、さっさと家に帰れと促すのだった。
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