成果

 剣奴の反乱。

 それを聞いてやってきた僕は元よりこの街を自分のものにする前提で動いていた。アレイスは裏取引の情報を元に暴れてもらうために連れてきたようなもの。


「さて、セレータ。ちゃんと街を牛耳ることは出来た?」


 そして、わざわざ呼びつけたセレータにはこの街を一から百まで。表も裏も完全に掌握し、商売を円滑に進めてもらおうと思ったのだ。


「……あぁ、確かに出来たな」


「ふっ。表の仕事もちゃんと増やしてやっただろう?感謝してくれたまえ」


「いや、確かにそうなんだが……ま、まさかここまで大きくなるとは」


「この程度で怖気づいてもらっては困るのだけど。まだお前には全然働いているつもりだし、もっと規模もデカくなってもらうつもりなのだけど」


「えっ!?さ、更にかい!?」


「当たり前だろう」


 僕はセレータの言葉に頷く。


「この街を中心とし、表での仕事を更に増やしてもらう」


「そ、そんなに仕事を増やされても人手が足りるかね?私のところにいる人員は確かに多いが、それでも無限ではないのだけど」


「雑用係として馬車馬のように働くように強制され、今では捨てられてしまっている哀れな者たちがいるだろう。あれを存分に使え。他にも元性奴隷で使えそうなやつらがいれば自由に使うと良い」


「あの人たちを……?いい、のか?」


「何をそんなにも驚いている?」


「い、いや……あの奴隷たちには不幸な目にあってそのまま亡くなられせるのかと」


「……そんな珍妙なことはせぬが?他人がどういう末路を辿ろうと興味などない。僕の道具として使えそうなら使うし、使えないのであれば捨て置くだけ。お前が使えると判断した人間であればそれに僕がとやかく言うつもりはない。僕はあくまで後ろ盾であってトップでもないしな」


「いや……あの人たちはルガンが玩具にして楽しむための人かと勘違いしてしまってて」


「僕のことを何だと思っているんだ」


 セレータの口から出てきた僕の評価にげんなりながら口を開く。

 わざわざ粘着し続けるほど他者に興味などない。


「妥当だろ。これまでの行動を考えれば」


 僕がセレータと会話を交わしていた部屋の中に、アレイスと共に滞在していたノアが話に割って入ってきてこちらへの侮辱の言葉を投げかけてくる。


「敬語を忘れるなよ?小童が」


 そんなノアに対して何時ぞやも返したような言葉を彼に向かって僕は吐き捨てる。


「俺より小さいくせによく言うよ」


「……殺すぞ?」


 そして、なおも挑発を繰り返すノアへと僕はガン飛ばすのだった。

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