戦場

 お久しぶりです、色々あって書くメンタルじゃなかったけど、書けるようになったので更新を再開します

 

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 戦場の雰囲気。

 鉄臭い血の匂いに腐乱臭。

 数多の人がぶつかり合い、命を削りながら争う戦場。


「おっ、喉仏じゃん」


 威力の高い火炎魔法か何かで生きたまま肉を焼かれ、骨だけとなったであろう死体に綺麗な形で残っていた喉仏を蹴り上げながら僕は気楽にその場を歩いて進む。

 僕の進む先。

 そこにあるのは激戦地。


「……ごふっ、はぁはぁはぁ」


「クソったれがっ!」


 もはや集団と集団での戦闘は下火となり、総大将同士の争い。

 剣奴たちを率いる長とオストワ伯爵家に仕える騎士の団長が白熱の争いを繰り広げていた場へと僕は顔を見せに来る。


「やっているねぇ」


 互いに血まみれになりながら息も絶え絶えの様子である二人を見ながら僕は口を開く。

 この場に相応しくない、甲高い声変わり前の僕の声は戦場においても良く響いてくれた。


「やぁ、せっかくなんだしそろそろ停戦したら?いつまでも戦っているわけにもいかないだろう?それに、街の方でもちょっとした問題が起きちゃってね」


 周りからの注目を集める中で僕は更に言葉を続ける。


「……どういうことですかな?」


 あまりにも突然すぎる僕の登場に多くの人が困惑する中で、オストワ伯爵家の騎士団長がいの一番に口を開く。


「さてはて、君如きに言える話ではないのだがぁ?」


「……私は確かにオストワ伯爵家に仕える一騎士団員ではありますが、生まれは子爵です。そこまで卑下されるような身分にはございません。いくら、御身がカエサル辺境伯家の嫡男であられるとは言え、です。現在、我々はゴミを処断している最中なのですよ」


「ふむ。良かろう」


 僕はオストワ伯爵家の騎士団長の言葉に頷く。


「確かに、湧いて出たゴミどもの掃除を邪魔して申し訳ないが、ゴミ掃除以上に重要な事実が出てしまったのでな」


「る、ルガン殿っ!?」


 僕の言葉に剣奴の長が驚愕の声を漏らし、勝手に僕のことを仲間扱いしていた剣奴たちが色めき立つ中。

 僕は核心に迫る言葉を口にする。


「剣奴たちの反乱によって機能不全になってしまったオストワ伯爵家が統治していたあの街へと私は一時的に滞在し、代わりに街の保全のために最大限の努力をしていたわけだが……そんな活動の中で、あの街で他国の人間と裏取引をしていた証拠を見つけたのでね。それがどういうことかを聞かねばならぬと思った次第なのだよ」


「んなっ!?」


 さらりと告げた僕の言葉を受け、オストワ伯爵家の騎士団長は驚愕の言葉を漏らすのであった。

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