面倒
「……」
気まぐれで奴隷たちのお手伝いを始めた僕だが……。
「失敗だったかもしれん」
あまりにも仕事量が多かった。
「こいつら、無能すぎるだろ。いや、本当に貴族と奴隷で生まれが違うのか?遺伝子とは別の何かが働いているのか?」
「待って?さっきの言葉に私は地味に感心したのだけど……速攻で否定しないでよ!?」
「ほざけ、メス」
僕は自分の隣に立つ性奴隷の女性に対して、言葉を吐き捨てる。
「ただの気まぐれ」
僕がこうして手伝ってあげたのは本当に気まぐれなのだ。
「……の、量じゃないだろっ!?これはぁ!」
それなのに……僕が今、行っている業務はとんでもない量である。
正直に言ってカエサル家の業務よりこの街の業務の方が多い、遥かに。
「商人共の扱いがなってない、商品の扱い方がなってない、貿易の扱い方がなってない、故に金がない」
この街の問題は金だ。
街として維持し、そこに暮らすもの達の生活の基盤を作れない。
「はぁー」
国を発展させるのは政治家ではない。国に暮らす民が国を発展させ、一人一人がその生活を守るのだ。
政治家というのは税を徴収し、街の基盤。インフラの整備を整えたり、国という土台を守るための外交並びに軍事行動を行うのだ。
政治家が国を発展させるのではなく、民が国を発展させる、
「民がねぇ……」
この街にいるのは奴隷どもだ。
街を発展させられるような人間はいない……己が富まない理由を政治家に押し付け、何もしない日本人よりも酷い。
日本人は普通に優秀だしね、ディスりすぎた。
「……私たちがなんでしょう」
「馬鹿なんだよ……街を発展させられない。ここにいるのは軍事力に性奴隷、雑用係のみ、何も生み出せない。街としての魅力がない……出来るのは傭兵業くらいか?終わったわ……どーやって発展させよう、どれだけ頑張っても二、三ヶ月しか持たないんだよなぁ、どうしようか」
「……ねぇ、待って?」
「何?」
「なんでいつの間にかこの街を私たちだけで永遠と運営することになっているの……?」
「えっ……?」
僕と性奴隷の女は共に顔を見合せて首を傾げるのだった。
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