メイド

「痛い……」


 夢と信じてほっぺをつねった僕であるが、返ってくるのは純粋な痛みである……夢では、ない。

 いや、待て……確かに、見た目はルガンそっくりだが、別にそっくりさんな可能性もあるだろう。

 普通にゲームとは関係ない異世界に転生した可能性だって全然そんざ……。


「ルガン様!先ほど、何か大きな音がなさいましたがどうなさいましたかぁ!」


 終わった、完全に。

 僕は慌てて部屋の中に飛び込んできたメイドの言葉に自分で必死に作っていた逃げ道が粉砕されたことを知り、頭を抱える。

 他人から僕がルガンであると証言されてしまった。

 

 それに、部屋の中に入ってきたメイドのことも僕は知っているぞ。

 目隠れ獣人メイド。

 獣耳と尻尾が生えているだけでその他は人間というケモナー要素の薄い子ではなく、しっかりとその相貌にも獣らしさを残し、全身もふもふに覆われているナイスバディを持った少女。


「だ、大丈夫ですか?」


 そんなルガンが常に連れ歩き、ケモナーたちから熱い支持を集めていたそんなメイド、レゾンは頭を抱えだした僕を前にして慌て始める。


「……何でもない」


 それに対して僕はどう答えるべきか悩みつつ……作中のルガンの口調を思い出しながら言葉を話す。

 

「そ、そうですか……本当に大丈夫ですか?わ、私は身を清め終えましたが……体調がすぐれないのであれば後日にした方がよいのではないですか?私も初めてでありますし、ルガン様も同様でしょう。ど、同衾は万全な時にするのがよろしいかと思われますが……初めてであればなおさら」


「……ぁ?」


 僕はレゾンの言葉に疑問を抱くと共に、視線を窓の方に向ける。

 窓からは一つの丸いお月様が浮かんでいる夜空を確認することができ……再びレゾンの言葉を僕は自分の中で反芻させる。

 つまりは、そういうことか?……え?鏡の中に映っていた僕は明らかに十歳に満たない感じだったけど、勃つの、か?


「ど、どうなさいましょうか……?ルガン様」

 

 内心で困惑していた僕へとレゾンが躊躇いがちに尋ねてくる。


「……ふんっ。とりあえずは寝室に行くぞ。ほら、さっさと移動するぞ。先に進め」


「しょ、承知いたしました」


 僕は悩んだ末に結論を後回しにする。

 そして、屋敷の構造を知らない僕はレゾンに先を歩かせ、とりあえず寝室へと向かうのであった。


 ■■■■■


 贅を至るところに散りばめられた廊下を通り、僕はレゾンの案内で寝室の方へとやってきていた。

 寝室には中心に巨大な天蓋つきのベッドが置かれ、部屋をほのかに照らす光源が揺らめている。


「そ、それで……どうなさいますか?ルガン様」


「よっと」


 自分の体重を完全に吸収してくれる質の良い寝具へと腰掛けた僕は自分の前に立ち、どうするべきか悩んでいるレゾンの方へと視線を送る。


「まずは、脱げ」


 そんなレゾンに対して僕は言葉を一つ。


「……はい」


 レゾンは僕の言葉に素直に頷き、その頬を赤く染めながらゆっくりと服を脱いでいく。

 人間のものではないことが一目で理解出来る裸。

 全身は黄色い毛に覆われており、尻尾が恥ずかしそうに揺らめき彼女の恥部の美味いこと隠していた。


「尻尾を退けろ」


「……は、はいぃ」


 レゾンはその頬を更に赤くし、こちらから視線を僅かに外しながら尻尾を自分の体の前から退ける。


「……ふぅむ」


 ちゃんと、勃つのな。

 獣の身体でありながら、しかと二本の足で立ち、豊かな乳房と人のものと相違なさそうな下半身の秘部を持つレゾンを前に僕の体はしっかりと反応していた。


「隣に」


 自分の身体がしっかりと機能することがわかった僕は自分の隣を叩き、彼女に座るよう指示する。


「失礼します……きゃっ」


 躊躇いながら僕の隣へと腰掛けたレゾンの体を強引に倒し、僕はその上に覆いかぶさる。


「ふふふ。こうしてみると可愛い奴だ」


 自分の下に組み伏せられるレゾンの柔らかく暖かい顔を撫でながら僕は口を開く。


「はぅ……あ、ありがとうございます」


 僕はもふもふの彼女の体を優しく抱きしめ、その下腹部へと自分の手を降ろしていく。

 獣らしく毛に覆われた秘部は僕が触れる前から湿りを帯びていた。


「あっ……んっ」


「汝も初めてなのだろう?我がリードしてやる……楽に体を預けよ」


「は、はひぃ」


 前世で僕が死ぬ直前、上級生からの誘いで女の子と行為に及ぶ予定だったのだ。

 そんな予定を、別世界かつ前世では見ることのない獣人を相手にこなすことに決めた僕はレゾンを食べるのだった。

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