第36話 安堵
そして放課後。校門で待ち合わせをした3人は鈴の家へと向かった。電車に乗り、鈴の家の最寄り駅へ着き、3人は歩き出した。翔は昨日のことを思い出していた。昨日は鈴と2人で幸せを噛み締めながらこの道を歩き、鈴と別れてからは、その幸せの余韻に浸りながら歩いたこの道。あれからまだ一日も経っていないのに、今歩く同じこの道が、翔にはとても重く感じた。鈴が心配な気持ちと、まさか‥‥という不安。早く家に行って確認をしたいが、それがとても怖く感じていた。誰も何も話そうともせず、沈黙のまま3人は鈴の家へと着いた。
「えーっと、じゃあ‥‥誰がピンポン押す?」
優が2人に問いかけた。翔は下を向いて黙っていた。その様子を見た春が
「あ、じゃあ私が押すよ」
そう言うと、春はインターホンの前に立った。
「じゃあ、押すよ」
静かにそう言うと、春はインターホンを押した。
「はい、どちら様ですか?」
「あ、こんにちは、春です」
「春ちゃん‥‥久しぶりね。元気にしてた?」
「はい、元気です。おばさんあの‥‥鈴はいますか?」
「鈴ね‥‥うん‥‥いるわよ。今ねお家に帰って来たところなの」
その返事を聞いて3人はホッとした。途中で体調を崩してしまい、今病院とかから家へ帰って来たのかな?と3人は解釈した。
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