第35話 異変③
「優、色々気を使わせちゃって悪いな」
翔が呟いた。
「大丈夫だよ。少しは落ち着いたか?」
「あ、うん。おかげでだいぶ落ち着いたよ」
そして翔は優に今朝の出来事を話した。
「うーん、そっか‥‥あの鈴ちゃんが音信不通なのか‥‥確かにそれは心配になるよな‥‥春も何も知らないんだもんな‥‥鈴ちゃんどうしたんだろうな‥‥」
「俺もどうしたらいいのかわからなくて、でも何もできなくて‥‥自分はもう大人みたいなもんだと思ってたけど、いざ問題が起こると、まだまだ何もできない子供なんだな、自分て無力なんだなって思って‥‥」
「まぁなぁ。俺達変なところは大人になってきてるけど、中身はまだまだ子供だなって思う時あるよ。そんな俺達にできること‥‥とりあえず放課後鈴ちゃんの家に行ってみるか?」
「うん‥‥今できることって、それしかないよな‥‥」
「俺でよければ付いて行くし、春にも話してみて、一緒に行くって言ったら、3人で鈴ちゃんの家に行ってみようぜ」
「うん。そうだね。優と春も一緒に来てくれたら、俺も心強い。ありがとうな」
「翔も、鈴ちゃんも、俺の大切な友達だから。俺も鈴ちゃんのこと心配だし。みんなで行こう」
その後、翔と優は普段よりも長く感じる学校生活を過ごしながら、放課後を待った。その間、優が春に話をしてきてくれて、春も一緒に鈴の家へ行ってみることになった。
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