第37話 安堵②

「あ、そうなんですね。よかったです。学校に来てなくて、連絡も全然取れなかったんで、心配してみんなで来ちゃいました」

「あら、そうなのね。みんなって‥‥」

「あ、翔と優です」

「あ、翔くんと優くん‥‥翔くんも来てくれてるのね‥‥?」

「はい、そうなんです」

「そうなの‥‥今玄関に出るから、待っててちょうだい」

鈴の母親がそう言うと、インターホンが切れた。優が言った。

「鈴ちゃん無事みたいだな。よかったな」

翔も安心したようで、顔が少し明るくなった。

「私おばさんに会うの久しぶりだな。顔合わせると思うと、なんか緊張しちゃう」

「おいおい、鈴ちゃんの様子見に来たのに、おばさんに気を取られるなよ」

3人は安心したようで、笑う余裕も出てきた。「ガチャッ」鈴の母親が玄関から出てきた。

「みんなごめんね。わざわざ来てくれてありがとう。ちょっと色々言いにくいんだけど‥‥私も動揺していてなんて説明したらいいのかわからなくて‥‥でも、みんなにはちゃんと伝えておかないといけないと思って‥‥とりあえず、鈴に会ってもらえるかしら?」

「はい、もちろんです」

春が元気良く答えた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る