第4話

昨夜、間違って一話投稿してしまっており、大変申し訳ありませんでした……


◇◇◇


「……契約結婚?」


「ええ、そうよ」


 呆然とこちらをみるカズタリアに私は大きく頷く。


「あんた、相当言い寄られてるんじゃないの。性格がいくら死んでいても、そこまで顔がいいとね」


「……一言余計とは言われないかお前」


「あら、二、三回ご飯を抜きにしたらお父様は何も言わなくなったわよ」


「もういい」


 私の言葉にげんなりとした表情でそう告げたカズタリアだが、真剣な表情で口を開く。


「だが、信じられると思うか?」


「まあ、そんなに性格悪いと信じられないわよね」


「こいつ……!」


 私の言葉に、カズタリアの額に青筋が立つがそれを無視して私はそれを無視して告げる。


「まあ、心配を拭う要素になるかは分からないけど、私も契約結婚はありがたいのよ」


「ほう?」


「私実は結婚式、今日知ったのよ」


「……は?」


 呆然とこちらを見てくるカズタリアに対し、私は怒りで拳を握りしめながら、口を開く。


「家の禿おやじに騙されてここにつれてこられただけで、私はぎりぎりまで結婚なんて想像もしてなかったのよ」


「いやまて、どうしてお前は父親に騙されてるんだ?」


「逃げようとするからじゃない?」


「……納得した」


「まあ、とにかく!」


 話がずれないよう話をもどした私は、まっすぐカズタリアを見て口を開く。


「奇しくも私たちの目的はあってるのよ。結婚を避ける口実がほしいというところでね」


「……まあ、そうだな」


「だから、どう? ──私と契約結婚しない?」


 そう告げた瞬間、カズタリアが顎に手を当て、思案し始めた。

 そして数秒後に口を開いた。


「……お前側の利点をもう少し具体的にあげろ」


「結婚をお父様からせかされないこと。あと、存分に趣味に没頭できそうなところ、かしら」


「趣味か……」


 そういって少し思案した後、カズタリアはにたりと笑った。

 そして、私の方へとゆっくりと手を差し出した。


「お前の様な変な女の言い分としてはかなり信頼できるな。いいだろう。その契約結んでやる」


「随分な言い分だけど、今の私は機嫌がいいから許してあげる。性格の腐った王子様」


「お前の方が性格悪いだろうが」


「お生憎様。私はいい性格だと皆にほめられるわよ」


「……言葉の意味を分かって、それを免罪符に使うところは確かにいい性格だよ」


 そうお互いに言い合った後、私達はお互いにふん、と鼻で笑って手を話す。


 ──それが、これから長きにわたる結婚生活の始まりだった。

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