第29話
ダサい男共を蹴散らして席に戻ると頼んでいた明太子スパゲッティーとサラダとスープは席に届いていた。
若干だけど少し冷めたご飯を平らげて満足してドリンクバーで一杯のオレンジジュースを入れ席に戻り冒険者手帳で連絡が来てたので返信したりして時間を軽く潰しつつ飲み物を飲み干し会計を済まして外に出るとそこには黒い服を来た男達が100人以上でファミリーレストランを囲んでいた。
「おお?おお!こんだけいるとゴキブリみてぇだな」
俺の一言を聞いて黒い服の男達は殺気立つが襲い掛かってくる事は無く、統率はとれてるんだと少し関心した。
「んで?睨んでくるだけなら俺は帰るけど?」
「いやいやー凄いね、この人数でも物おじしないなんて」
そう言ってパチパチと拍手をしながら出てきたのは黒い服なのは周りの奴とは変わらないがこの黒狼のリーダーなんだと分かる恰好をしていた。
周りが無地の黒シャツに対してそいつだけ無駄にお洒落に着込んでいたからだ。
黒のジャケットに黒いズボンに黒いチェーンで黒いピアスに髪型を全力で逆立てている、俺から見ても無いとは思うが。
「あー…お前らはダサいなぁ……一人に対してこれだけの人数集めてさ」
「俺らのチームはどんな手を使っても勝のがモットーって奴でね……それでは最後になるだろうけど自己紹介を、俺は黒狼3代目リーダー
翔の奴がおいっと言うと黒狼のメンバーが6人が俺に向かって襲い掛かって来た、それを殴って迎撃していると何処かから叫び声が聞こえてきた。
「へーやるじゃん……なんの声だ?」
音の正体はファミレスを囲んでいた黒狼のメンバーの叫び声だったようだ、叫び声の方を見ると糸で吊るされて飛ばされてる男達が叫んでいた。
逆の方の叫び声がする方を見ると何か大きな盾で殴られぶっ飛ばされている男達が居た。
「ありゃあ……」
糸で飛ばされ何故か痺れて動けなくなる男達が倒れて行き俺の方へと向かってくる男が一人そこに居た。
「もう、何やってるんだよ一緒に帰ろうと思っただけなのに」
「おお!幸広じゃん!」
そして大きな盾で殴って人をぶっ飛ばして俺の方へと向かってきた女性が見えて納得した。
「ちょっと邪魔よ不良集団!!」
「よっ!楓」
「何?この迷惑集団はあんたの連れ?」
「いや俺も絡まれて困ってたんだ、無駄に人数多いし」
「そっ、なら殴っても良かったわね」
「確認する前に殴らない方が良いと思うよ、僕は」
「少し出来る奴が増えただけだ全員でヤレ!」
黒狼のリーダーの一言で全員が殺気立ち俺達三人に襲い掛かって来た、余裕で幸広はいなし縛りマヒさせる。
楓はさすがに剣までは使わないで盾で襲いかかってくる男共を殴ってぶっ飛ばしていった。
「何よコイツら可憐な女性の私に襲い掛かってくるなんて」
「それで?総司君は何で襲われてるのっと」
幸広は器用に敵を縛り飛ばしながら会話を求めてくる、俺も殴り返しながらこうなった経緯を説明すると、楓と幸広の目の色が変わった。
「そう、子供をね……じゃあ歯ぐらい飛ばしても問題ないわね」
「そうだねぇ……そう言うのは良くないよねぇ」
「だろ?だから俺は悪くない」
そこからの攻勢は激しくなり黒狼のメンバーはどんどん減っていきほぼ壊滅状態になってしまい、残りの人数はリーダーの翔くらいで他の黒狼のメンバーで立っている者は居なかった。
「な、なんなんだお前ら!」
「あー?俺らはただの……うーん」
「悪童三人衆よ!」
「それ名乗っちゃうんだ……」
「あ、悪童だな……お前たの顔を覚えたからな!」
こいつはなんで今の状況でもこんな強気でいれるのだろうと疑問に思い幸広を見ると首をかしげていた、楓の方を見ると獲物を見つけた獰猛な笑顔を浮かべていた。
「この状況で私に反抗する意思を持てるのね……うふふふ」
そこからは俺も言いたくない惨劇が繰り返されていった、途中でごめんなさいと言う声も聞こえたが楓を止める事はできないので俺は聞こえないフリをして聞き流す事にした。
「ず、ずびばぜんでじだ」
「そうね、初めからそう言う態度していれば良かったのよ」
「……僕は見ていないよ」
「俺も」
「さて……黒狼って言ったかしらそれ解散ね、んで悪童三人衆の傘下ね」
「あい」
この日、黒狼が潰されたと言う情報が各色のチームに広がり激震が走った。
そして新たに悪童と言うチームの名前がその界隈に広がって行ったのだった。
「あ、髪型はとやかく言わないけど、その恰好のままで僕の前には来ないでね?」
「あーさすがに俺でもダサいってのは分かるファッションだぞ?」
「そうね」
「……あい……改めます」
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