第19話
それから由紀と一緒にRPG、シュミレーションやアクションなど多彩なジャンルのゲームを由紀とやって過ごしていた。
どんなゲームでも由紀は楽しそうに教えてくれた、RPGには縛りプレイでクリアしようとかアクションゲームはステータス上げないでクリアしようとか色々無茶な事をやってゲームを楽しくプレイしてきた。
そう楽しくだ。
由紀と一緒にゲームをやる時間はとても楽しかった、たまにお父さんも混ざって対戦ゲームをしたりもした、総司と幸広が居たらもっと楽しかったのかなとか考えた事もある。
そうやって楽しく過ごしていた時に私は出会ってしまった。
由紀に勧められて始めたMMORPGという作品に。
その作品名はラストファンタジー14、ナンバリング作品なのだがその作品はMMORPGにするための独自の世界観があり過去作とはあまり関係ないのでその作品から初めても何も問題はなかった。
MMORPGを初プレイして思ったのはどうしても一人では何も攻略が出来ない事だった、それぞれの役割が明確に決まっていた。
ヒーラーにタンク、アタッカーにデバッファーとそれぞれの役割をきっちりしないと高難易度のダンジョンはクリアできなかった。
技術とかではなく仲間との連携が必要なのだ、なのだがオンラインゲームは自己チューなプレイする人も一定数いるのだ。
そこをどうやってダンジョンクリアに持っていくのかタンクをやっていると考えて誘導して事故を無くしクリアすると私はとてつもなく達成感を感じた。
その達成感を覚えてから私はさらにMMORPGにハマっていった。
何かを好きになるってこういう事なのかなと少し考えて自然に笑えたような気がした。
MMORPGにはまってから時が経つのが早く感じつつ勉強もしていると気づけば中学3年生になっていた。
夏休み中に転校生が来たって噂を聞いてはいたが幸広だとは知らなかった、丁度その時期わたしは少しいろいろありすぎて他人に関心を向けていられなかった。
お母さんが帰ってきたのだ、お父さんと話合いをして今までの事を謝ってくれてまた一緒に住む事になった。
最初はちょっとぎこちない感じだったけどちょっとづつ話していくうちに自然と話せるようになっていった。
私が好きな物は何か好きな食べ物は何か、いろいろ話して居なかったお母さんとの溝が埋まっていくような気がした。
「今までごめんなさい、楓の事を思って言ってたのにどんどん私のために習い事をさせてしまって……」
「ううん、いいのお母さんの期待に応えるのも楽しかったし」
「ありがとう……楓は何が一番たのしいの?」
「あのねあのね最近MMOってジャンルにはまっててね……」
久々にあったお母さんとのわだかまり何て無かったように親子としてちゃんと話せたそんな気がした。
お母さんは私の自由に好きな事を頑張ってと言ってくれた、その言葉でお父さんとお母さんに冒険者になりたいと初めて言えた。
昔、総司と幸広と3人で冒険ごっこをした事やMMOで培った人をまとめる大切さ実際にやってみたいとずっと思っていた、でもさすがに冒険者になるって言うと心配されるから言えないでいた私の考えをお母さん達は頑張ってみてなさいと言ってくれた。
それからの私は忙しかった、冒険者の事を調べて体を鍛えたりやる事がたくさんあった、由紀も一緒に冒険者学校に行ってくれる事になって二人で訓練もした。
毎日忙しく過ごしている時に幸広に出会った。
幸広が噂の転校生だった事をそこで知り、同じ冒険者学校へ行く事もそこで知った。
でも幸広は昔のような感じではなく何か落ち込んでいるような気がしたけど私が踏み込んで良いのか分からなくて何も言えなかった。
それから私は冒険者学校の試験を受けSクラスを勝ち取りお母さんとお父さんに褒めて貰えた、私が心から笑顔になれたのはここだったのかもしれない。
これからはお母さんとお父さんにも背中を押してもらえたのだから自然に私の好きなように過ごして行こうと思った。
それから由紀とコーヒーショップで懐かしい幸広の笑い声が聞こえた、珍しいなと思い近づくと、そこには懐かしい人と出会う事になった。
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