第17話
「まったく誰よあんなうるさい盾なんて考えたのは」
「「……」」
「何よ?」
「なんでも無い……今は3階層か?あとちょっとでボスフロアだな」
「ええ、そうね私のヘイトの集め方も大体わかってきたし、このまま練習がてら魔物を呼んで練習しつつ奥へいくわよ」
「押忍」
ダンジョンの奥へと進んで行ったのだが魔物が全然見つからず、たまに1匹刈れるくらいで楓が練習にならないとプリプリ怒っているのを幸弘がなだめたりしながら進んでいると最終フロアへと到着した。
「ついっちゃったじゃない消化不良よ」
「まぁまぁ、っとボスフロアに魔物が居ないみたいだし、ここのボスの知識を話しておくね」
幸弘ぐ言うにここのボスは二核スライムと言うらしい。
簡単に説明すると体が一つで意志が2つあるスライムらしい、要はケルベロスみたいな3頭犬みたいに一つ一つの核に意志があるようだ。
「ふーん、所詮はジェルスライムのちょっと強化した感じよね」
「まぁ戦えばやりづらいとかはあるかもだし気を付けていこうね」
そうこう話しているとボスエリアから青い光が見えたのがボスのリポップの合図らしく俺たちはボスエリアに侵入した。
ボスエリアに入り魔物を見ると体長4mはあるだろうスライムがそこに居た。
ジェルの中に3個の核をだだよわせながら。
「なぁ?あれ核が3個ないか?」
「そうね、3個よね」
「レアボスの三核スライムだね、撤退する?」
「するわけないでしょ、私が突っ込むから後はよろしく」
「あいよ」
「うん」
楓が三核スライムへと走りながら
幸広を見ると頷いていたので理解してるであろうと判断して三核スライムの後方らしい所へと向かい核に向けて攻撃を開始した。
「魔剣迅」
「ふっ!」
幸広と俺の攻撃は真後ろからの攻撃であったため当たったと思った瞬間、核がすいっと移動し俺達の攻撃はジェル部分に当たりあまり効果がなかった。
「おい、避けたぞ!ヘイトとやらが足りないんじゃないか?!」
「こっちだって盾も無いからいっぱいいっぱいよ!!」
「なんで捨てたんだよ!!」
「うるさかったんだから仕方ないでっしょっと」
楓は回避をしつつ三核スライムの伸ばした触手のような攻撃も剣でいなしながらタンクの役割をしている、その光景を見て幸広は器用だなぁとかつぶやいていた。
「あ、そうだ」
「何?」
「スライム系は魔力吸われるとすんごく怒るぞ」
「先に言いなさいよっと、そういう魔法は習得済みっよっとと」
楓はヒラリヒラリとジェルスライムの攻撃を避けながら魔力を練りだしたのか集中したためなのか楓に三核スライムの攻撃が当たりそうになってしまった。
「四針糸」
そこに幸広が特装の効果を発揮して三核スライムの攻撃を止めたのだが幸広の四針糸の効果では一核分の体積しか縛れなかったようで残り二核分のスライムが楓へと攻撃してきた。
「まっず」
「ごめん出来た」
「集中するなら言ってよ!?」
「マッジクサクション」
楓の魔法が発動すると楓の持っていた剣に魔力が集まり剣が黒く染まっていった、禍々しく見える剣を三核スライムに切りつけると三核スライムはよほど楓の攻撃が効いたのか嫌がったのかは分からないが完全に楓にヘイトが向かった。
「ちょちょちょっと攻撃頻度たかすぎぃ!」
「幸広!」
「うん!」
俺と幸広の攻撃が2つの核の攻撃へと当たり2つの核がジェルスライムの中で砕けた、残り一つとなり猛攻撃していた核スライムの攻撃が見て分かる程に手数が減って行った。
「トドメよっと」
残りの核へと楓が持っていた剣で突き刺すとジェルスライムは核が全て無くなり液体部分も溶けていった。
「やっぱり盾が無いと辛いわね学習したわ」
「捨てる前に分かってた事だと思うけどなぁ」
幸広と楓が少し疲れた様子で会話していたので俺は三核スライムを倒した場所を見ると少しでかい魔石と3つのリングが落ちていた。
「おーい!なんかリングがドロップしたぞ、あと魔石」
「なになに!どんなの?」
「えーっと多分だけど、念話リングかな」
「何それ?」
幸広が冒険者手帳で調べてくれた結果レアボスの三核スライムのドロップは念話リングと言うらしく、リングを付けた者が何処にいても念話で会話が出来ると言うアイテムらしい。
「何それ面白そうじゃない!丁度3人だしつけてみましょうよ」
「そんなん付けたら地獄じゃね?」
「……」
ふんっ!!!!っと今までのは本気では無かったのかと思うほどの豪撃が俺のみぞおちを貫いた。
「……幸広の裏切り者……」
「口は災いの元だよ、勉強になったね」
「とりあえず帰るわよ、売るにしても何にするにしてもマンモス公園へ行くわよ」
「うす」
こうして俺と幸広と楓との初ダンジョン攻略は終わった。
これから学校のダンジョンも攻略しなくてはいけないし、新しい漫画やゲームなどやってみたい事がたくさんある。
幸広が言うには年間行事みたいな事もあるそうだから楽しみはまだまだありそうだ。
さて明日からどうやって過ごそうかなぁ。
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