第14話 合流

「ハフッハォ」


 やはり揚げ物は揚げたてが一番美味い、ジャガイモに程よくミンチにされた細かい肉と肉の油がかみ合った絶品の一品だソースをかけなくても塩と胡椒で味付けされてるのか何もかけなくても美味い。

 だがこれにソースのをつけて食べるとまた違う、ソースの甘いような酸っぱいような味がジャガイモとミンチ肉に絡みまた別の表情を見せる。


「上手い!!」

「本当に美味しそうに食べるよね」

禁地区あっちじゃまともな食事なんて無かったしな」

「そうなんだぁ」

「お次はネギまだ」


 焼き鳥の中で俺の好きな焼き鳥は塩のネギまと言うだろう、なんたってプリップリの鶏肉と一緒にちょっと焼き目がついてるネギを一緒に食べる。

 シャキシャキのネギとプリプリの鶏肉を一緒に食べる事がこんなにも美味いとは思ってもいなかった。

 鶏肉とネギを一緒に食べるのも良いが別々に食べるのも美味い、気分によって食べ方を変えられるのが更に良し!


「お?袋のそこに唐揚げが仕込んであんぞ、おっちゃんめ粋だな」


 からあげ……これは鶏肉による最高の調理法だ、マヨネーズをかけても美味いが俺はそのまま食べるのが一番だと思っている。

 あつあつの衣をガブリと一口、噛めば噛むほど鶏肉の油が広がり味付けのために少々いれた塩胡椒が鶏肉の味を引き締める、ほのかな醤油の香りが口の中に広がり隠し味程度のニンニクがピリッと味を引き締める……んー最高だ。


「下町最高だぜ!」


 幸弘が食べ終わるのを待っているとオレの冒険者手帳に通話がかかってきた。


「はいはい」

「総司?私、こっちは終わったけど今どこ?」

「楓か?今は原公園で飯食ってて、マンモス公園の近くの駄菓子屋に向かうとこだな」

「そう、マンモス公園近くの駄菓子屋ね行くから待ってなさい」 

「あいあい」


 楓から連絡が来て駄菓子屋で待ってろと言われた事を幸広に伝え、俺と幸広は駄菓子屋へと向かった。

 

「懐かしいなぁ、ちょっと買ってくるわ」


 幸広はまだ総菜を食い終えてなかったので俺は一人で駄菓子屋へと入る、色々な物を見ていると昔やっていた遊びを思い出しいろいろと買ったが総額はなんと160円で買った物がこんな感じだ 


タバっ子ラムネ 30円

ケムリンシール 30円

すもももモモジュース 40円

ドラゴンアイス 60円


冒険の報酬は手帳にすべて入ってしまっているが元々もっていた財布の中身に小銭はいくらか入っていたので購入する事ができた。


「ふーんふふーん」

「いろいろ買ったみたいだね」

「んだ、やっと食い終わったのか、懐かしいからよちょっと待っててなぁ……」


 まずはタバっ子ラムネを取り出し、コレはまぁタバコの形をしたラムネだ、それの先端にすもももモモジュースを塗りたくると先端が赤くなる。

 その先端にケムリンシールを張り付けてシール部分を指でこすると煙がちょろちょろと出はじめる。

 最後にドラゴンアイスだ、口に入れると煙がでるアイスを口に含む。

 準備が整ったのでヤンキー座りをして。


「見てみて、タバコ吸ってるヤンキーごっこ」

 

 タバコを吸っている真似をして口のアイスをひとなめすると不思議な事に煙がモクモクと口から溢れてくるのでフウーと煙を吐く。

 

「うわぁ懐かしい、楓ちゃんが良くやってた奴じゃん、僕も何か買ってくるね」

「おうよ、フゥー」


 すもももモモジュースを飲み、模倣タバコにしてないタバっ子ラムネをポリポリと食べながら幸広を待っていると遠くから何か聞こえてきたが特に気にせずタバコごっこをしていると唐突に殴られた。


「がほぉい」


 何がおこったのか回りを見てみると怒った楓が俺の前に立っていた。


「未成年が何やってんの!!」

「何ってお前の真似してんじゃねぇか」


 私はタバコなんて吸わないわよと言いながら俺の事を殴る楓、それに気づいた幸広が笑いながら俺が何をしていたか説明した。


「まったく、紛らわしいわね」

「えぇ……理不尽じゃね」

「ほら、ダンジョン行くんでしょ何処に行くの?」

「ゲロ吐きだけど、武器とかは?」


 俺の質問にふふーんとドヤ顔を披露して俺に説明してくれた、楓はSクラスらしくSクラス特典で収納リングを持っているそうで、そこに武器などを入れているそうだ。

 収納リングは石がはまっている部分に当てて収納と念じればそのリングに収納されるらしい。


「ふーん、便利なんだなぁ、どれくらい入るんだ?」

「学校のロッカー2つ分よ」

「え?」

「だからロッカー2つ分よ!」


 ドヤ顔かますから凄く物が入るのかと思ったが案外ショボいんじゃねぇかと考えているとビンタされた。


「何すんだよ」

「私の装備をバカにしてそうな顔してたから」

「たしかに」


 もう一度ビンタされた。


「これでこそボスだ」

「あはは、懐かしいね」

「他の人の前でボスとか言わないでよね!!これでも学校じゃあ清楚で可憐で優秀な女の子で通っているんだから」

「せぇいそぉ~!?ボスがぁ?ワハハハハハ、なんの冗だぶべぇ」


 何も言わずに俺にビンタをかまして、さぁ行くわよと言い俺と幸広を引き連れてゲロ吐き公園へと向かった。


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