第11話
「おいコイツシケてんぜぇ、魔石しかドロップしてねぇや」
「まぁレアな魔物って言ってもそんなもんだよ」
「はーん……ってそれにしても今の技はなんだ?お前のスキルってわけでもねーんだろ?」
俺が見た今の幸広の技は幸広自身の純粋な魔力じゃないように見えた、昔とーちゃんが使ってたような感じなんだよな、魔力を武器に食わすと言うか流すと言うか何か違和感しか感じれなかった。
「あー総司くんも見たのは初めてなんだ?僕の持ってる武器はね特殊装備シリーズでね、いろいろな武器があるらしいんだけど人類ではまだ製造できない武器でねダンジョンでしか発見されない珍しい武器なんだ」
補足があってねと幸広が説明の続きを話し始めた、要はその特殊装備っては誰でも装備できる奴もあれば装備する人を選ぶタイプの武器があるらしく、幸広の特殊装備は人を選ぶタイプで俺には装備できないようだ。
「まぁ、そんな感じかなー特殊装備を略して特装とか呼ばれてるね、ためしに持ってみる?持つ事は出来るけど魔力を流せば拒否反応があると思うけど」
幸広から特装を受け取り、武器に魔力を流すと弾かれるような感覚と言うか武器から拒絶されたような感覚になった、俺には使いこなせないなと思い幸広に特装を返す。
「僕の家に前々からあったんだけどさ、使える人居なかったら放置されてたんだけど僕が使える事が分かったら使わせてもらってるんだ」
「へえぇーすげーじゃん」
「凄くないよ、僕はまだ使いこなせてないしね、感覚で分かるんだ、まだまだ未知の能力があるんだろうけど、全然使えないんだ」
「んーでもさカッコいいからいいんじゃね?男だったらそういうの憧れるよな!」
「カッコいいかぁ……そう…かもね僕は元々かっこいいけどね?」
「うっせぇ、さっさと行くぞ」
幸広との会話を切り上げてそこからは順調にダンジョンを攻略していった、出てくる魔物はスモールラットばかりだった。
ファットラットと違ってスモールラットは確かに早いが回避をする知能が無いのか俺と幸広の攻撃を避けようとすらしなかったのでサクサクとダンジョンボスフロアへ到着した。
「このダンジョンのボスはビックラットだね、体が大きいだけのネズミだね」
「おーし、さっそく入ろうぜ」
幸広とボスエリアへと入ると床に寝そべっている大きなネズミが1匹いた、俺たちに気づいたビックラットは立ち上がり威嚇をしているのかシャアシャア言っている。
大きさはビックラットと言われるだけ少しでかく体長1Mは超えていた。
「大きいネズミってのも気持ちが悪いもんだなー」
「あーうん確かに」
「ファットラットでの鬱憤があるから今回は俺一人でやらしてくれ撲殺してくる」
「……危なくなったら手出すからね」
「ああ」と返事をすると同時に俺はビックラットへと走り接近する、ビックラットは俺の接近に気づき長い爪で切り裂いてきた。
長い爪の切り裂き攻撃を避けるとがら空きの脇が目についたので思いっきり木刀で殴打する。
ビックラットは痛みに耐えられなかったのかピギャアと苦悶の叫びをあげた。
「隙だらけだぞ、おらぁよぉっと」
いつも通り木刀に魔力を流し魔力に斬撃をイメージしそれに加え炎をイメージに加える。
「緋炎の太刀」
木刀の長さ以上の炎の太刀が完成し、そのままビックラットに切りつけると切り口から炎が燃え広がりビックラットは炎に包まれていき叫び声が徐々に小さくなっていき絶命した。
「いっちょあがりっと」
「……総司くんが居ると属性魔法の使い手は涙目になりそうだね」
「ああ?なんの事だ?」
「一つってか結構聞きたい事あるんだけどいいかな?」
「ん?ああ、なんだ?」
「得意な事は魔力操作って聞いてたけどさ、一般常識的にだったら身体強化とか無属性の魔法系が得意な事だと思っていたんだけどさ……無属性が恥ずかしいから魔力操作って言っていたんじゃないの?」
「はぁ?なんだ?その一般常識ってのは?」
幸広は僕と総司くんの一般常識は大きな齟齬があるようだからと言って説明してくれた。
都会の常識と言うか世界の常識らしいのだが、魔力はそんなに便利な物では無いらしい、個人個人で得意な属性があり他の得意ではない属性は使えた物では無いらしい。
幸広は水属性の得意な僕だとこうなると言って指先に火の魔法を生成して指先にライターのような火種しか出せないと見せてきた。
それにと続け無属性魔法は身体強化、それも部位強化くらいしか使えず属性魔法の親和性も無く弱いとされていた。
それを恥ずかしがる昔の無属性使いが隠語として魔力操作が得意だと言うようになったそうだが、その隠語は昔から使われていたので一般常識として認知されていた。
「ふーん」
「ふーんって……特装を教えて貰った時よりびっくりしたよ僕は」
「禁地区でそんな事言ってたら生きてられないからなぁ」
「じゃあどんな修行したとか総司くんの野蛮な常識を教えてくれる?」
「野蛮て……まあ良いけど」
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