第2話 学校

 待ちに待った冒険者学校の入学式!

 俺は今、入学する学校の前に立っている、楽しみすぎてちょっと早めに着いてしまったようだ、一応予習のためにパンフレットを見返しておこう。


 見出しはこうだ『来たれ!未来のダンジョン探索者!夢と希望を胸にわが校へ~』


「おっほ、テンションあがる~えーっと何々~」


 墨田国立ダンジョン育成学校の教育理念はー難しそうだからまあいいや……なんか他の項目もなんかいちいち頭よさそうな文だな、うんまぁいいやとりあえず入寮手続きに行くか。


 ここ墨田国立ダンジョン学校は東京スカイツリーの中にあり俺のマイベストプレイスとなる寮はスカイツリー駅の近くにある元々ホテルだった場所がそのまま寮になったようだ。

 それにと寮住まいになる子はそこまで多くないようで大体はチャリ通や電車とかバスで通学する人のが多いそうだ。


 さて、ささっと入寮手続きして校内を見よっと、おー結構デカい寮だなーそれに綺麗だ、住んでた家と大間違いだな、よし!


「本日から入学する事になりました模紙です!よろしくおねがいします!」

「兄ちゃん、ここは寿司屋の受付だぞ、そこの学校の寮はエレベータ乗って3階に受付があるぞ」

「どうりで生臭いと思ったんですよ!今度食いに来ます!あざます!」

「おお、おお元気な子だねぇ儲かったおいで待っとるでな~」

「うす」


 ふぃー恥ずかしい思いしちまったぜ、まぁ都会は初めてなんだ、致し方ない事だな、うん。

 さっきのおっちゃんが言った通りにエレベーター3階へと移動しエレベーターから降りると目の前に受付があり眼鏡をかけた女性がそこに座っていた。


「入学おめでとうございます名前をお願いします」

「うす、模紙 総司っす!」

「模紙さまですね……はい確認とれました、こちら305号室のルームーキーになります無くした場合は有料で再発行できますが無くさないようにお願いします。」


 渡されたルームキーが腕時計のような形で腕に付けておけば無くす事もないと思うがダンジョンとか入ったら落とす事もあるのかもしれないな。


「うす、眼鏡嬢あざます」

「……寮母です」

「うす」

「ご実家からのお荷物はもう305号室に届いています、入学式までまだ時間ありますので一度確認してみてください」

「うす」


 あれー?おっかしいなぁかーちゃんが女性は金かけてる所を褒めておけば大抵OKって言うてたから金かかってそうな眼鏡を褒めたのに無反応だったなぁ、まぁいいやとりあえず部屋へ行こ。


「ここが……305号室かな」


 腕時計型のルームキーを扉の鍵らしき部分に当てるとピッと言う音が鳴ってドアが開いた。

 部屋に入るとトイレ、ベット、PC、TVが完備されていた、実家からの荷物が明けると俺が良く使っていた木刀が2本と実家に住んでいた時のオアシス、プレイステージ2通称PS2と数本のゲームが入っていた。


「かーちゃんに任せたけど、ゲームと木刀しか入ってねぇんだけど……あ、手紙だ」


 何々~

 総司へ

 自分の物は自分で稼いで買え

 武器くらいは見繕ってやったから安心してダンジョンに潜って稼げ

 あとお前の私物も送っておく金に困れば売れ

 以上


 かあちゃんらしいっちゃらしいけど……

 財布の中身を見る、1000円しか入ってない


「今日からダンジョンって潜れるのかなぁ」


 まぁ今考えた所でどうしようもないか、とりあえず学校へ向かおう

 自分の部屋から出てエレベーターへと向かう途中、寮母さんから声をかけられた。


「模紙さま、こちらをお渡し忘れていました、学校のフロアマップです、広いので迷わないようにと」

「うす、あざます」


 へぇーフロアマップかぁ……ひっろいなぁ……何々~

地下1Fがショッピングモールや買取所など娯楽的スペースもあるっと後で確認しに行かなくちゃだな。

 1Fが職員フロア

 2Fが1年生フロア

 3Fが2年生フロア

 4Fが3年生フロア

 5Fが多目的フロア

 天文台エリアにダンジョンが初級、中級、上級のダンジョンがあるっと

 えーっと補足事項?

 初級は基本的に1年生専用

 中級は2年生専用

 上級は3年生専用


「ふーん、ダンジョンが3個もあるんだなぁ、でも俺は1年だから初級だけなんだ……金稼げるのかなぁダンジョンって」


 パンフレットを睨みつけているとドアからコンコンっとノックする音が聞こえた、はーいとドアを開けると寮母が立っていた。


「そろそろ行かないと間に合いませんよ」

「え?まだ時間ありそうっすけど」

「おせっかいですが早めに行った方が楽なんでおこえがけしました」

「あーそうなんすかぁ、わかりました、んじゃあ行ってきます」

「外に出ると看板があるのでそれに従って行けば迷う事はないですよ」

「うっす寮母の姐さん行ってきます」

「ただの寮母です、いってらっしゃいませ」


 エレベータに乗り1Fに着いて外に出て看板を探すと寿司屋のおっちゃんが声をかけてきた。


「さっきの元気の良い兄ちゃんじゃねぇか、学校の看板ならホレそこだぞ」


 おっちゃんが箒の刺した方向を見ると新入生はコチラと書かれている看板があった


「あ、あれか。おっちゃんあざっす!」

「おう、頑張って来い」

「うす!いってきます!」


 おっちゃんが教えてくれた看板に向かい指し示す方向へと移動していくとちらほらと人が居た。

 みんな新入生なんかなぁとか考えていると受付がありそこにはそこそこな人数が並んでいた。 

 寮母の姐さんが早めに行けって言ったのはこれがあるからかと納得し、受付にならんでいると俺の番になった。


「お名前をお願いします」

「模紙 総司っす」

「模紙くんねぇ……あった、はいコレ」


 受付のねーちゃんから受け取ったのは旧世代に流行っていたスマホみたいな感じの電子端末だった。


「それが君の冒険者手帳よ、詳しい事は入学式に説明があると思うから大事に持っておいて」

「うす」

「じゃあこのまままっすぐ行けば大きいホールがあるからそこに移動して、まだ時間あるから少しくらいなら見て回ってもいいけど遅刻はしないように」

「うっす」


 さてっと俺はどうするか、いろいろ見て回りたい気持ちもあるけど、それは時間がある時にでもゆっくり見て回るかってなると大ホールとやらにいってゆっくりするか。

 受付のねーちゃんが言った通りに進み大ホールの中に入るとパイプ椅子の数が1000個ほど配置されていた。

 何処に座れば良いのか迷っていると教員らしき人から何処に座ってもいいと説明されたので真ん中の列の端っこに陣取り入学式が始まるのを待つことにした。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る