第02話 サビ
この逸話のジャンルを
エッセイ・ノンフィクションに指定したのは、全てが実体験/追体験で構成されているからだ。
危機一髪と言うお題に対して、応じるはヒヤリハットだと言わんばかりに身近な題材であり、いかに一つの病院をかかりつけ医にし、観察眼を持って外来に鎮座していたかを物語る。
車椅子とぶつかりそうになったのは僕で、車椅子で溝にハマったのも僕。来院時に徒歩だった自分と、車椅子だった自分が交錯する。
かかりつけ医の外来は、基本的には予約制なので、車椅子来院中はお利口さんで待っていたけど、
精神科入院と車椅子が重なった時は、バックケンケンなる操法を編み出して、長い廊下をケンケンケンケン蹴って回った。バク宙みたいにひるがえって、強制ストップした日もあった。
バックケンケンはヒヤリハットと言うか、ヒヤリヒヤリと言うか、危険しか隣り合わせになかった。
特に売店と談話室とのつなぎは急勾配になっており、親切に押してくれる人が居ない場合は、バックケンケンの馬力に頼る他なかった。
車椅子愛用は左の踵骨折が原因で、絶対安静約束時にバックケンケンなどかますから、現在に至っても古傷として痛み、特に冬期は疼痛に喘ぐ日々だ。
一番のヒヤリハットはバックケンケンで決まり! いきなりサビを持って来たが、これがエッセイ・ノンフィクションの醍醐味か。
深夜26時にLEDの間接照明頼りにスマートフォンのバッテリーを切り売りする自転車操業。明日の起床に、早くもヒヤリハット。
明日はスネオみたいな髪型をモヒカンにする計画を立てている。開店は午前09時。
危機一髪の〆切が15日だから余裕で間に合うと胸を張りたい夜光虫。
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