第4話 髪が無いからなんだって言うんだ
受付さんが持ってきたのは複雑な機械だった。半円の
「水晶に触れてしばらくお待ちください」
(なんか血流検査を思い出すな)
と思いながら水晶に触れると水晶から緑色の光があふれ出した。これで何を調べているのかさっぱり分からないが、受付さんの眩しそうにタイピングする姿に若干の申し訳なさを感じていた。
光が納まると受付さんは用紙に何か書いて俺に渡した。登録用紙のスキル欄にはこう書かれていた。
【
「あのーこれって何なんですか? 頭部のみとかってのは」
「・・・フッはい! スキル、これは貴方が使える能力の事です。魔法の
「・・・頭部限定で?」
「ブフッっ発動場所の
なんだこれは、神の
(まあいいさ、このスキルは冒険者になったら使うもの。俺には必要ない。さっさと忘れて山に登る準備をしなくては)
そう気を取り直したものの、情報収集に
「竜極峰ですか、なぜ山頂を目指されるのですか? あの山には神が宿っていると言われていて道も険しいと聞きます。一人で行かれる場所ではないと思います」
「竜極峰? あの周りにはめっちゃ強い魔物だらけで登山スポットとしてはおススメできないね」
「めっちゃ寒かったよあそこ。
と寒い、強い、険しいという意見ばかりだった。あと半分くらいハゲ
「うっさいなぁスキーニーのくせにさぁ」
その時、見慣れない言葉が聞こえてきた。
(スキーニーってなんだ?)
声のする方へ顔を向けると若い冒険者達が大きなバックパックを背負う男の子を囲んで一方的に話しかけていた。
男の子は
「お、お願いします! 一つだけでもいいので、この薬草を一つください!」
「って言われてもさ、君と同行して何かメリットあった? こんな頭も体も弱いのにさ」
「そうそう、アタシこの足手まといのせいでお風呂一日入れなかったし」
「ついてきても
「少し待ってください、流石に言いすぎじゃないですか?」
「何? アンタ」
「俺はついさっき冒険者になったシンです。あなたたちの言動、目に余るものがありますよ」
「キッモ、スキーニーのくせに、あっもしかして同族を守りたくなったの? 熱い友情すごーい」
今の言葉で、スキーニーが何を指す言葉か分かった。
「今のスキーニーってもしかして俺か? 悪いな、いせかいてんせーだからこっちの言葉よく分からなくて」
「あっそうなの? じゃあ俺先輩ね。スキーニーってのは君みたいな頭ツルツルの奴って事さ! スキーニーは能力が低くて弱いから冒険者から嫌われてんのさ!」
おそらく、この世界に
だが後天性はその過酷さで体が弱る人が多い。その
(そうであってもそうでないとしても、これは許せない)
「なるほどね、じゃあ先輩さん。勝負をしようよ」
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