第3話 紙が読みずらいのよ
リガリ草原には緑色のオオカミとかデカい赤い熊とかの《魔物》がいるらしい。元の世界で言う
「シン、ここまでお疲れ様。そしてようこそニューライフ村へ」
川を下るほど二時間、それは見事な水車が回る豊かな村へたどり着いた。
「ニューライフ村って名前、変わってるだろ? 誰がつけたと思う?」
「多分俺と同じ異世界転生だよね」
「そう、この村はシンと同じいせかいてんせーの人間がつくった村なんだ」
「どおりで──」
村の風景は、良くいえば飽きない所だ。全て木造の所もあれば石材を組み合わせたもの、土壁の建物など、
「色んな建物があるんだな」
「ああ、いろんな奴がポンポン建てるから住むところには困らない。村の住人はこの半分くらいだと思っておいてくれ」
と、タミは呆れたように言った。家だけ建ててどこかへ行く異世界転生者が多かったのだろうか。遠い目をしている。
しばらく歩いて、この村で一番大きいヨーロッパ風の建物でタミは立ち止った。
「ここが酒場兼ギルドハウスだ。冒険者
「冒険者か、俺には縁のない仕事だな」
「シンは冒険者にならないのか、でも一応しといた方が良いよ。名前が
「そうなのか、じゃあ一応登録だけしておくか」
「それじゃあ俺は仕事があるから、ここでお別れだ。また何かあったら向かいの家にいるから」
「タミ、ここまで教えてくれてありがとうな。仕事見つけたら何か
「ああ、その・・・まあ頑張れよ」
タミが何か言いかけているのを見て不思議に思ったが、気にせずギルドの扉を叩いた。
「いらっしゃいませ。依頼の
「いえ、冒険者登録をしに来ました。
「はい、冒険者登録ですね。ではこちらの用紙に記入をお願いします」
用紙も日本語・・・かと思いきやローマ字になっているようだ。非常に読みにくいし書くのも面倒だった。氏名、出身、年齢、あとスキル? と職業の
(そんなやばい奴に見えるかな俺・・・ド〇ェイン・ジョンソンみたいに
「あのぅ、異世界転生の方ですよね? 何かスキルなど覚えていることはありますか?」
「多分、そういうのはした覚えがないですね」
「でしたら、スキルを
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