駆け出す手
もうすぐ卒業か…
そう思いながら学校へと足を運ぶ11月。
まだ卒業したくないとか、したいとか…
色んな思いが交錯する中、僕は思いついた。
卒業をテーマに書いたらいいんじゃないのかな…
そのまま筆を走らせたが棄却。
しかし、諦められない。書きたい。
消して、書いて。消して、書いて。消して…の繰り返し。
いくら進めても、気に入らない。
僕は気分転換をするために外へ出た。
さむっ…
凍えるような寒さの中、僕は外へ出て歩き始めた。
小説家の夢は遥か遠くにある。遠いから届かない。叶うのかもわかんないのになんでこんなことしてるんだろ…
叶えるって思ってるけど、諦めようか悩むな……
不安に駆られながら歩く。
近くのコンビニに行き、グミとのど飴を買い、家に帰った。
家に帰り着き、机に向かった。
夢…叶えたい。この思いを小説にしたらいいのでは…?
自分の夢を叶える過程、未来を想像したものを書こう。
自然とスマホを開き、小説を書き始めた。書き進める手が止まらない。
初めて上手くいったのだ。
これは絶対、最後まで書き切ろう。
進む筆は止まることを知らない。僕と同じように。いつか止まるであろう筆を、止めたくないという意思のままに書き進める。『心』のままに。
あと少しだ。書ききって、達成感を味わえる…!
ずっとできなかったことができるようになる。味わえなかった達成感、やっと目に見えるところまで来た。
目前にした卒業。
卒業前に書き切りたいけど、たぶん難しいよな…
とりあえず、最後まで書き切るのがノルマだな。
そう考えつつ、スマホに文章を入力する。ただひたすらに、自分の思うように。
夢である《小説家になる》に近づくために…
夢語 かししゅ @Kasishu
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