第25話

 一度は離れた学校だったが、働き場の変遷ヘンセンを経て、自分の一番得意なものを考慮した場合、勉強かなという着地点を見出した。

それで、学校に戻る決意をした。それは以前話した。その思考の経緯ケイイについてお話ししたい。


なぜ、仕事人から学生に戻ることを決意したのかというと、とにかくうまくいきたかったからだ。仕事において、あまりうまくいかなかったため、まずは、自分を振り返ることから始めた。


欠点はよく知っていた。親や家族、人や上司からもさんざん言われてきたことなので、そりゃあ常に意識している。なおそうと努力し続けたといっても過言カゲンではない。しかし、それをある程度続けていると、それだけでは足りないのがわかってくる。


次に、自分の長所を考えてみた。人に言われてきたことを考えてみても確かにそうだが、違うような気もするということが多々あった。なんかちがうなぁ、みたいな。あってはいるんだけどね。


なので、じゃあ、今まで自分が長く続けられていたものって何だろうと考えてみた。まあ、ロクサンサンで十二年、最低でも十年以上続けているのは勉強だ。仕事はいろいろやったが、十年もしていたのはなかったなあ、ということで、勉強だ。


ということで勉強!と言われてもどうしてもいまさらなあと思う。思うが、自分は少し人と違って(?)、思い込んだらなんかやらずにはいられないところがなくもない。


でやってみた。そしたら意外にうまくいった。そりゃあ最初のころは試行錯誤シコウサクゴした。が、だんだんコツを覚えてくると、自分に合った勉強の仕方というか、勉強に集中することができた。これは、周りのみんなの協力もあったに違いない。あまり意識していなかった。


何より、以前とはモチベーションがぜんぜん違うのだ。これでアキラめたら人生終わりだぐらいの気持ちで頑張った。頑張ったらだんだん勉強をするということ自体が楽しくなってきた。ランナーズハイというやつだ。


で気が付くと、卒業できた。それから学校をハナれた後もしばらく勉強を続けている。なぜならそこに勉強があるから。


勉強をやり続けていた最初のころは、自分にとってこれは宿命なのだぐらいの気持ちでやっていたのだが、日がたつにつれ、だんだんとまあいっかみたいな気持ちが顔を出す。


とりあえずここまでやったら勉強やめよっかなみたいな今はそんな気持ちだ。言っても大した勉強はしていない。復習だ。最終学年のものをやったら気が向いた感じで小学校の問題をやり直したりもする。だからいつ辞めてもいいような気がするのである。

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