第23話

 社会に出ると完全に縦社会で、人によっては横のつながりが気薄キウスになる。自分も気薄になった方で、だんだん友達の数が減っていき、付き合いのある方たちも減っていった。これはちゃんと努力して人との関係を維持イジしようとか、構築しようとすることをしてこなかったからだ。例えば、上司にホメめられて素直に喜べる部下は上司から好かれると思う。そうすると、その部下は上司にとって気軽に付き合える関係を構築できるわけだ。たぶん。


以前話したように、自分は誰かにホメめられると、褒められることで自分がいい気になることをまず恐れてしまった。そのため、変に意識して、関係がぎくしゃくしたものになる。それでは、若かろうが、年を取っていようが仲良くなれないだろう。


だからだんだん、息苦しい縦社会の、上の人に気を遣うということが、できなかった自分はさらに孤立を深めることになる。孤独になると悩み事も自分の都合のいいように発展するようになる。自分が頭がいいから上役の人の機嫌を損ねてしまうのではないかとか。実際は目上の人はいろんな経験を積んでいるから、合理的な進め方をしない場合もあるというだけなのだが。


だから、頭がいいと思い込んでる部分をひた隠しにするときもある。結局ばれていることの方が多いのだが、逆に気を使われていたりして。頭がいいということを殊更コトサラに言うと、なんか自分では慣れてしまってダダの言葉だと認識してしまう。絶対だめだよね。だけどめんどくさいからそのまま使っちゃえみたいな。


そういうカタクナなに偏屈ヘンクツな部分が、だいぶ生きづらくしているなと気づいたのはだいぶ年を取ってからだ。それまではとにかく、何か人からよく見られたいと必死で頑張っていた気がする。そして、いろいろ失ってみて、何か開き直って逆に余裕が出てはじめて、自分を見つめなおす機会を得た。


必要なものと不必要なものの取捨選択シュシャセンタクを生活の中で繰り返し、なるべく自分が楽な方へ楽な方へと今までにない努力をしてみる。何か書いてみると、堕落ダラクしていくみたいだけど、そうゆうわけではなくどちらかといえば気持ち的なものだ。


まだ全体を見てみて、成功はしていないが、まあ安定はしてきたかななんて自己満足をしてみる。なかなかいい気分だ。そんな気持ちを認識したとたん、また、嫌な事がおこったりする。世の中そううまくは行かないようだ。


とにかく今日も人に迷惑をかけないことを信条にコツコツ生活するだけだ。なかなか難しいけど。

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