第20話

 最近ネットゲームにはまっていたせいか、現実感があまりない。現実を考えたくないという気持ち、遊びたいという気持ちと、このままではいけない、ちゃんと生活や将来の事を考えなければならない、という気持ちの格闘がある。中学生みたいだが。


ネットゲームがうまい人と下手な人の違いとは何だろう。コミュニケーション能力だろうか。自分はあまりうまい方だとは言えないが、無難ブナンにゲームをこなしていたと思う。とにかく生き残ることが大切だった。うまい人はうまいが、長くやっていればある程度の技術は身につく。あとは、人の邪魔ジャマにならない程度に立ち回ればエンディングは見れる。現実社会と同じだ。


ネットは疑似現実ギジゲンジツというか、本来の現実とは違った別次元の現実がある。たぶん。それらの現実では、まだまだ弱肉強食ジャクニクキョウショクの色合いが強いような印象を受ける。実際の現実でもそれはあるが、ある程度社会が成長を遂げ、組織によってそれは秩序が管理されているので、比較的弱い存在でも自分が弱いと認識する必要もなく暮らすことも可能だ。大人になるにつれて、現実と向き合わなくてはならなくなるが。


ある程度は現実の影響を受け、秩序チツジョのようなものはあるが、結局はみ出したものを大勢が潮流チョウリュウのように攻撃を仕掛けるのは成長した社会とは言えない気がする。自分が言うのは大言タイゲンだが。より速い展開テンカイで話が進むので、結果が出るのも早い。その結果を還元カンゲンして、さらに環境を改善し、秩序を構築していけば、誰でもが安全に利用できると思う。そうあってほしい。


そして、逆にそのネットの影響を受け、現実において、それを現実化させることもある。人間が野生に帰る瞬間だ。とっても怖い。まあ、たいていの場合はネット環境を離れれば、現実の環境に戻る場合が多い。そんな気がする。


結局、環境を作るのはそこに住んでいるものたちなので、ネットに住んでいるネット住人と現実に住んでいる住人とでは、性質が違いすぎる。それはお互いになじめないだろう。生物の適応能力テキオウノウリョクもあるので、すぐに性質が変わってしまう。


一方で、その違いに苦しめられることも多くあるに違いない。話していても何か会話がかみ合わない、そんな経験をお持ちではないだろうか?


そんなことを言っている間に、なんかいつの間にかネットという環境が現代になじんできたのか、まるで、違和感なく世間が動いている気もする。結局、自分の気の迷いでしかなかったのか?それとも、すでに自分が手遅れなのか、怖い次第である。

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