第9話

 最初にガラケーを自分で契約したのは、なぜかシロアリ駆除の店舗だった。表に旗があったので、すっと入って、ガラスの出入り口のすぐ目の前に応接用のソファーがあって、確か黒だったかな?そして何か仕事の打ち合わせでもするようにやや低めのテーブルで、契約書を書いた記憶がある。ドコモの携帯電話を契約した。本体の一部の金属光沢を印象深く覚えている。親の管理下から何か解放されたという自由と不安感があったのを覚えている。なんでもないことなのに。基本的に色はおとなしめの色が自分の好みだったので、たぶん黒色を選んだのだろう。今のスマホも黒だ。あとはシルバーの可能性もあるが、一度機種変更したとき、薄いローズピンクの携帯を持ったことがある。自分にしてはおしゃれな色合いを選んだものだと思ったのを覚えている。


携帯電話はPHSより、だいぶ電波の状態が良かった。いつもちょっとした感動があるのだが、こういう道具は、何か新しくなると、性能が飛躍的に上がる気がする。その他機能を散々使い倒して、試しまくった。そしてだんだん自分に合った使い方を絞っていく。それはスマホになっても同じだった。


メール機能も画期的だった。携帯電話の流れとして、まず、ポケベルがあって、それで数字でメッセージを送るというちょっとめんどくさい工程があったように思う。昔とても景気が良い時代があり、その時のサラリーマンがビジネスツールとして利用していた。また、いろんな人種が使っていて、女子高生も使っていたと聞いた記憶がある。新しもの好きなのだ。それから、携帯電話になると、文字をそのまま相手に伝えることができ飛躍的に文字文化の進化が起こった。


ラインなどで既読スルーなどが、一時期話題になっていたが、まさにメールを送っても返事が来ないとやきもきする。そういう時間をだいぶ慣れるまで使っていた。今も少し気になるが、だいぶ図太く慣れてきたように思う。そうあってほしい。


そして今はSNSの時代だ。ラインもSNSの仲間かもしれないが、いったんそれは置いておいて、とにかくツイッターが流行った。猫も杓子もツイッターを使うようになり、こちらとしてはぜんぜんついていけなくなった。地方から都市部から、または世界中の著名人が使っていたので、すごい利用数になっていただろう。とても理解できない。なんといっても、相手との対話が成立するのかが疑問だ。だから自分はいまだにSNSは使いこなせない。

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