第5話

 自分は基本的に早寝早起きだ。夜更かしもよくする。ただ規則正しい生活を心がけている。生活を規則正しいものにしようとしたのは、ほっとくと収拾がつかないからだ。子供の時は寝るのが好きだった。朝、二度寝は当たり前、昼寝も大好きだ。ともかく、寝ないともったいないと思っていた方だ。だから、その時までは規則正しい生活とは無縁の生き方をしていた。


しかし、改心するときがくる。この規則正しい生活を心がけようと思ったのは、学生時代の生活改善が発端だ。

なんとなーく集団生活をしていると、よりよく生きようという気持ちが芽生えだした。だったら、規則正しい生活を送ることがよりよく生きるということじゃないかななんて思いだした。大体そんな感じだったと思う。


規則正しくない方の性格は学生の本文の勉強のほうにも顕著に表れていた。

先生にしてみれば、自分の出した宿題をこなしてくれれば、御の字のはず、たぶん、その課題を時間までに提出すればいい。そうすれば生徒を怒らずに済む。一方で、時間までに課題を終わらせられない生徒もいる。若いときは、生徒の時は特に目上の人に気を使うなんて想像もしなかった。

学生時代、一つの課題をこなす為に情報を集めるとだんだんほかのものに興味がわき、あれもしたいこれもしたいとなる。そうなってくると、課題どころではなくなってしまう。資料一つに対してさらにやることができ、それをこなす為にさらに情報を集める。の繰り返しだった。

今考えると、先生方にはご迷惑をおかけしていたのだなあなんて考えてもみる。


学校を卒業しても、そのくせは抜けなかったので、だんだん焦り始めた。このままだとやることの海の中でおぼれ死んでしまうのではないかと。

それで、とりあえず、終活よろしく整理整頓を始めた。とりあえず、本当に自分にとって必要なことだけを残すことに専念した。

そうやっていくと、だんだん人間て必要なことって本当に少ないものだなと考え始めた。そして、その必要なものを規則正しい生活にあてはめるとなんか一日に規則正しい区切りみたいなものができて、それが今まで持続して行われている。


ほんと、人間て思ったより単純だなと思う。

今までこれをやらないと大変なことになるなんて焦燥感にとらわれていることでも、やめてしまうと二三日でなれてどうでもよくなることもある。


大切なのは、何か目標を持つことじゃないかなんて考える。一つだけ目標を持てば、それ以外はそれほど必要ないかもしれない。


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