第三節

第11話

 いやに気持ちが静だ。まるで今までの喧騒ケンソウが嘘のようだ。

少し寂しい気もするが、騒がしかったあの頃の胸の疼き《ウズキ》がまだ残っているのを感じる。自分はまだやれる!みたいな(笑)。

そんなことを考えてると急に気持ちが冷える。現実感が増す。


これは、たぶんあれだ。黒歴史クロレキシというやつだ。最近は聞かないが、中二病という言葉がライトノベルやアニメではやった時期があった。主人公の女の子が片眼に眼帯をつけて男の子に会いに来るやつだ。


ラノベやアニメでは、近年黒歴史が脚光を浴びているように感じる。というか世界が黒歴史だ。まあ、現実的に周りに迷惑を掛けなければ、基本的にはオッケーなわけだけれども、現実の生活も忘れないように気を付けよう。


それはさておき、そろそろ特定健診だ。相変わらず、不摂生フセッセイな生活、日付が近づくと急に生活態度を改める。不安はもちろんある。これ以上薬を増やしても体は大丈夫なのだろうか?とか。お医者様とは丁々発止のやり取りを繰り広げたが、結局、血圧が高めなので、薬を飲まざる終えない状況になった。苦い思い出だ。


・・・・


どうやら健診は無事にクリアしたようだ。いつも病院を出るときは生き還った気分になる。しかし、一方でたまにこうして自分を客観視できる機会は貴重だ。例え専門的な、自分とは違う分野でも反省する機会を与えてくれる。そうしないと坂道を転がりおりていくように自堕落ジダラクになっていく。行動も考え方も。まあ、なんかよくはならないかもだけど、せめて速度は落としていきたい。大事故につながらないためにも。


ビールを飲みすぎたせいで尿酸値ニョウサンチが高い。それは自分が悪いのは認める。しかし、血圧が高いのは認めたくない。血圧は遺伝が要因の部分もあるが、それも認めたくない。あの数値の上がり下がりに一喜一憂する感じ、怒りたくても怒れない煮え切れない感じが拷問のように、自分の精神をむしばむ。薬を飲むのはさして気にはしない。もはや習慣化しているからだ。恐ろしい。


関係ない話だが、病院で領収書と一緒に、もらってくる薬などの詳細な説明書きをどうしているだろうか?自分は捨てずに保管している。何か気になるのだ。特に読む気は起きない。ただ捨てるには少し勇気というか、やる気が必要だ。


今回は不健康な話をしたわけだが、運動はウォーキングをしている。たまに。風景がゆっくり見れるのがいい。風を感じるというほどではないが、適度に大気が心地いい。


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