第一章

第一節

第1話

 ふわふわとまるで体が宙に浮くような、風船にでもなったような浮遊感を頭の中で最近感じる。現実感のない、とても楽しいが先の見えない不安さが付きまとう。でもこのままでいたいとどうしても思ってしまう。時にはこのままじゃなきゃならないぐらいの義務感すらある。


目が覚めると、辺りはまだ暗く、外気の冷たさが皮膚を撫でるように感じ取れた。どうすればいいのか分からず、じっとしていたら、いい考えが出た!と思うとほかの考えが出る、それを繰り返すうちに頭が混乱して何も考えられない。

まあ、明日、今日か?考えればいい。


ぜんぜん脈絡はないが、とにかく考えを、現実性が増す方向に持っていこうと努力する。


すっと現実を意識する。


まずは日付を思い出そうとする。最近日付が思い出しづらい。学校に通っていた時や、職場にいた時は日付なんか簡単に思い出していたのに、個人で行動するようになると途端に思い出せなくなる。とりあえず、日記を書くようにして予防策を張っている。健忘症対策だ。脳みそに一定の刺激を与え、記憶力を強化する。


「正月の二日目って何か特別だったっけ。」と独り言。年中行事って大事だよなって、社会的な集団から抜けてから切に思うようになった。自分自身で節目を区切るのが苦手だ。いつも自分がやりたいことを優先してやってしまう。そうするとそのやりたいことに付随して、違うやりたいことが頭をのぞかせる。それが雪だるま式に増えていく。一度それらのことに着手するとなかなかそのジレンマから逃れられない。そして、やらなければいけないことに埋もれてその日をつぶしてしまう。


つい独り言がでる。


いつも気を付けているつもりなのだが、自分の考えに没頭していると独り言を言ってしまう。人に聞かれたらどうするのだと舌打ちしたくなる。独り言の時はなかなか反省しづらい。どんなことを考えて、どんな独り言を言ったとしてもそれは自分の中の出来事だけなので、相手が傷ついたとかどうゆう風に受け止めただとか考える気にもならない。これは言い訳になるのか。相手がいなくても反省は必要だ。癖になるとそれが相手がいても出てしまう。要注意。


・・・


そういえば、まだ年が明けて間もないのだ。寝正月にしようと考えていたが、正月に寝てたかどうかももはや思い出せない。もう今年、去年からしたら来年なのだが、になじんできている。生活もいつも通り、同じようなことの繰り返し。やることやって空いた時間に休んで、それで一日が終わる。

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