Episode 07 運命の帰り道。
――吹き荒れる風と、舞い散る雪。そして、夜の帳は下りていた。
その中を歩く……
一人じゃなくて二人きり。
ドアを開けた時、僕も梨花も知ることになった。
僕らが何故、ソックリなのか。ただソックリではない。容姿だけではなく声も、血液型に至るまで殆ど同じということも、この日、初めて明かされたのだ。それはまるでサンダーボルト。雷を、頭から足の先まで受けたような衝撃。……でも、実は梨花だけ。
僕は、その真逆で、ホッとしていた。
お母さんと刑事さんとのお話が聞こえたから。昔のドラマでよくあったパターンだと思われるのだけど、実は、僕と梨花が双子だということを、その時に知ったのだ……
梨花は走った。
突然の事実に衝撃を受けたから。
僕は追いかけた。でも夜の帳に、もういなかった。
すると鳴り響くスマホ。知っている番号。……というのか、名前で登録していた。
「
『ちょ、ちょっと
「だって、だって……」
『梨花なら来たよ』
「えっ?」
『さっきまでここにいてね、落ち着いたみたいなので帰したよ。……でも、今日はそっとしといてあげてね。リュックは明日、わたしと一緒に持ってってあげようね』
ゾロ目企画の日も残すところ、あと一夜。丁度そんな頃の出来事だったの。
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