Episode 02 登録は狼煙に。


 ――登録するには、まずネットを繋ぐこと。もちろんインターネットのこと。



 とある小説サイトの『書くと読む』


 アカウント設定をするには必須項目。試みるも、まったく初めてのこと。すると来たのだ、梨花りかが。もう一人のお友達を連れて……彼女の名前は藤岡ふじおか可奈かな。いつも梨花と一緒にいる子。そして何と「繋いであげる。まあ、そんなことだろうと思ってたから」


 と、可奈は高らかに宣言をし、自信満々に作業を開始していった。


 インターネットを繋ぐ作業と、書くと読むへのアカウント設定と。


「ユーザーIDは変えられないから、これでいい?」「あ……うん」「ペンネームは自分でして。それからそれからパスワード、これメモっといて。フムフム、じゃあ、これで終わりだから、お茶しよ、お茶。梨花も一緒に」という具合に、秒でできたって感じなの。


「可奈、すごいね……」と、それ以上の言葉が見つからずで、


「いい物語を書いてね、物語を愛する者の一人だから」との決め台詞も込みだった。


「わあ」と声が出る程に喜んだ。それを見て、梨花も可奈も、


「よっぽど嬉しかったんだね、千佳ちか」と、声にしていたから、僕も梨花の様にエッセイに挑戦したいという想いが、まるで噴火する様に込み上がってきた。叫びたくなった。


「パワー!」と。筋肉モリモリの芸人さんの様に。ガッツポーズで。


 クスクス……と、弾む笑い声こそが狼煙。これから挑む狼煙なの。


 まずは令和二年の二月二十二日を目指す。


 二月二十二日の件は、梨花が教えてくれた。その日の二十二時二十二分に一斉公開するという企画があったの。僕にとってはお初の企画参加だけど、その企画をした人は、梨花がお世話になっている人とのこと。なので、この作品で参加する……というよりも、


「この作品が、人生お初だけど」


 という具合に、僕の作品はこの一作で、まだ始まったばかりだ。でも、それはもう少し先のお話で、まずは登録だ。しかも今日は二月二日。企画の日と間違えてスタート。




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