新解釈ならではの、チカノオヘヤから広がる世界。

大創 淳

Episode 01 執筆は突然に。


 ――それは一人のお部屋で。初めての一人のお部屋。パパからのプレゼント。



 今はまだ、何もないお部屋だけど、黄色のボデーをしたノート型のPCもまた同じくプレゼントだった。パパは、以前は大きなお友達だったけど、あの日を境に……


 ステンドグラスの聖なる地で、シングルマザーだったお母さんと結婚したことで、僕の新しいパパとなったのだ。名字も変わった。梅田うめだという名字になったのだ……


 ということで、僕の名前は梅田千佳ちかとなった。


 梅田千佳……ウメダのチカ、ウメチカと、ペンネームが誕生した。それから、僕は正真正銘な女の子。一人称は僕だけど、ちゃんと女の子だ。つまりボクッ娘なわけ。


 そしてパパの名前はティム・ウメダ。


 初めて会った場所は、梅田の地下で、これもまたウメチカとなる。以上のキーワードからタイトルが決まったのだ。題して『新章たるウメチカ!』というエッセイだ。


 これまでは、ある特定の子の作品を読んできた。


 それが完結した、ついこの間。ペンネームは『りか』で、作品名は『りかのじかん』というユーモア溢れる内容のエッセイ。その子とは、リアルで会っている。容姿はボブで色白の、小柄で可愛らしい子。……とっても似ているの。いや、それどころか、まるで鏡を見ているようなの。何よりも一人称も同じく僕で……そうだね、憧れているの。


 彼女にも、彼女の作品にも。


 だからかな? 執筆という名の衝動も。こんな気持ちだったのかな? 彼女が作品を書き始めた時って。彼女の名前は星野ほしの梨花りか。僕の名字も梅田の前は、星野だった。


 徐に、卓袱台の上にある黄色のボデーをしたノート型のPCを起動。ワードの画面を表示させた。書式の設定だ。縦が四十字の横が三十行。A4の用紙に印刷できる設定としたの。その一枚分を一話とした。つまり、彼女がしている設定と同じにしたのだ。


 そして始まる物語。執筆は突然に始まった。


 キラキラと、想いが募る文字たちによって。



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