第3話 ファーストコンタクト
「おはよう!桜川くん!」
「お、おう…おはよう……」
桜川くんが転校してきた翌日。
早速コンタクトを取ることにしました。
「昨日はごめんね!私の名前は日野優花!日野でも優花でも好きな方で呼んでね!」
「あ、はい……」
(ふっふっふ!このフレンドリーさに驚きを隠せないようだねぇ!)
どう考えてもやりすぎなくらいのハイテンションで詰め寄る。だがこれでいいのだ。
「諦めろ桜川~日野ちゃんのテンションに慣れないとこのクラスではやってけないぞ~」
前の席に座っていた大葉くんがこっちを向いて話に混じってきた。
「なにさその言い方は」
「わるいわるいw褒めてるからww」
「うっそだぁ…」
大葉くんは私に対してそんな冗談ばっかり言ってくる。その度にマキちゃんに怒られてる。
「……あの、隣で騒がないで貰えますか?」
「あー…ごめん!すぐ戻るね!」
隣の席に座って勉強していた天城さんに怒られてしまった……桜川くんとのイベントもいいが天城さんの好感度も上げておかなくてはならない。最低でも背中ひっぱたいて怒られないくらいには。
「そんな言い方ないだろ…別に授業中でもないんだし」
すぐに席に戻ろうとすると桜川くんが天城さんにもの申した。
「だとしてもです。私が予習しているのなんて見れば分かるのですから少しくらい気をつけてですね……」
「お前が友達がいなくて羨ましいだけだろ」
「なっ…!?貴方だっていないでしょ!?」
「……大葉は友達だよな?」
「ん?……まーそうかな?」
「ほれ」
「ぐぬぬ…………」
「……んで?日野ちゃんはなんでそんな満面の笑みなの?」
「え???そうかな???」
目の前で始まったふたりのイチャイチャを眺めていると大葉くんから指摘されてしまった。
「……そうです!日野さ………優花さん!」
「へ?どしたの?」
「私達って友達ですよね!!?」
「え、うん」
「ほら!!」
「いや絶対違うだろ!今完全に日野さんって言いかけただろ!」
「本人がそうだと言ってるなら友達ですよ!」
どうしても桜川くんとの口喧嘩に負けたくないらしい天城さんは私の方を見て助けを求めてきていた。
(ふむ……ちょっと想定よりは早いけど……)
「もち!ずっ友だもんね!」
「…………ほ、ほら!」
「マジかよ……」
「まぁ日野ちゃんの場合友達じゃない人の方が少なそうだけどね」
「それもそうかもね!」
そうして桜川くんと天城さんとの良い感じの関係を築いていると、いつの間にか私の後ろにマキちゃんが腕組みしながら立っていました。
「……………」
「おはようマキちゃん!混ざってく?」
「結構。ほらとっとと戻るよ」
なぜだか怒り気味のマキちゃんに手を引っ張られ、私達の席へと連行されてしまった。
「………なんだ今の嵐みたいな女子は」
「すごいだろ?うちのアイドル様だよ」
「すごいってか……まっすぐすぎて怖いってか…」
「大丈夫大丈夫。そのうち慣れっから」
「だと良いけどな……」
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