回想:8歳、離別
八歳の誕生日、大仁は両親を殺した。
『大仁、よく聞いておくれ』
母との最期の会話は離れの
『父さまと母さまは、どうやら良くない
『よくないのろい?』
『目を合わせると
『なおせないの?』
『そう。父さまも母さまも治せない』
小さな腕に産まれたばかりの弟を抱いて、幼い大仁は母の話を泣きそうになりながら聞いていた。
『だからお願い、大仁。ここを焼いて』
『え……。なんで、どうして……?』
『そうしなければ、呪いはどんどん広がってしまうの。あなたも
『ずっとそこにいるのではいけないのですか、ははさま!』
幼い大仁は泣きじゃくりながら母に
『たとえ
『でも……』
『わかってちょうだい、大仁!』
それが、母と交わした最後の言葉だった。
よく晴れた、星の
『ごめんなさい、ははさま、ごめんなさい、ちちさま……』
大仁はそれを見つめ、泣きながら
『……!』『……!……!』
炎の中から、悲鳴に交じって大仁と奏助を呼ぶ声が聞こえたような気がした。
離れが
『なかないで、奏助。あにさまが奏助を守るから、ね』
大仁が生まれて初めて突きつけられた、
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