第7話 君は完璧で究極の救世主(前編)
私は姫乃花奈といいます。
好きなものは可愛いもの、特に猫が好き!
アピールポイントは元気なところと、誰にでもビビらず話しかけられるところだよ!
高校1年までこうやって生きていれば、自分の顔が整っていることも、みんなに可愛がられてアイドルのように祭り上げられていることも、そして世の中の男の人からは嫌な目線で見られていることも分かっちゃうよね。
これは私が気にしてることでもあるんだけど、とても小さいということを否定できない。
お母さんも小さいから遺伝だろうけど、この身長のせいで弱いと思われがちなんだ。
まぁ否定できないし実際非力なんだけどね。
とはいえ学校では周りの女の子達が私を守ってくれてた。
私もそういうお年頃だし、男の子への興味も実は結構あったりする。
けど、それ以上にやっぱり怖かった。
だからこそ毎日守ってくれている子達には感謝こそすれど、マイナスの感情は無かったんだ。
だけど学校の外では守ってくれる人がいるはずもなく、私は非力な一人ぼっちの女でしかない。
とある日の放課後、私は商店街の薬局に用があっていつもは行かないところへ向かっていた。
買い物を終えて帰ろうとした時、裏路地で可愛い三毛猫を見つけた。
裏路地は暗く、少し怖くもあったけどそれ以上に可愛い猫という魅力に抗えず、私は裏路地を進んでいく猫の後ろをついて行った。
しばらく行くと猫を見失ってしまい、残念と思いながらも帰ることにした。
しかし、そこは袋小路であり、全く知らない場所に来ていた。
一抹の不安がよぎるも、携帯もあるし大丈夫!ってその時は思っていた。
しかしその直後、細身の知らない男の人がすごい形相で私の方へと駆け寄ってきた。
逃げなきゃ!
そう思ったけどここは行き止まり、フェンスを越えれば流れそうだけど、登っている間に捕まってしまうのは間違いないだろう。
足がすくみ、動くことができず、私はすぐに捕まってしまった。
「やめてくださいっ!!」
なんとか恐怖の中でそれだけは言うことができた。
しかし、男はすぐに私の口を塞ぎ、それ以上は何も言えなくなってしまった。
必死に抵抗するものの、非力な私の力では目の前の男の人を振り払うことなんて出来ず、そして男の人の手は私の制服へと伸びていた。
男の人の息は荒く、目は迸っており、男の手がワイシャツへとかかる。
やめてっ!!
こんなところで穢されたくない。
私だって素敵な男の子と理想的な恋をして、幸せな家庭を築きたい。
こんな知らない小汚い男の人に純潔を奪われるなんて嫌だ!!
しかし、私に抵抗する術はなく、できるのは瞳から涙をこぼすことだけだった。
しかし、それすら男の嗜虐心を煽るためのスパイスでしか無かったのか、寧ろ嬉々として私の服を脱がそうとする。
あぁ……、もう死んでしまいたい。
死ぬ度胸なんてないくせに、全てを捨ててしまいたかった。
そんな時だった。
彼が目の前に現れたのは。
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