ショートショート「観察日記」

 おじいちゃんは野菜を育てるのが大好きで、作った野菜を毎年収穫して、食べさせてくれた。おじいちゃんは野菜をとても大事に育てていて、観察日記をこまめにつけていた。

 僕は大きくなり実家を出て、おじいちゃんの野菜を食べることもなくなった。久しぶりに実家に帰省した際、おじいちゃんが入院することになったので、おじいちゃん家にある荷物を整理することになった。野菜の観察日記は何冊もあった。

「今年もナスは立派に育った。」「これからトマトが大きくなるのが楽しみだ。」

と、野菜ごとに日記をつけ、色んなことが書いてあった。そんな中で1冊、ずっとつけられている日記があった。20年以上前からずっとつけられていて、

「本当に立派になった。」「これからが楽しみだ。」こんなことが書かれていた。

その日記の表紙に書かれていたのは僕の名前だった。これからはできるだけ帰ろうかな、日記の続き見たいし。

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