第五十話 もう一人の異変
守護像は展開している魔方陣から
地面に高速であたり、勢いで地を割り蒸気が出る程に焼ける。
高速で打ち付ける熱戦をエルは横に、壁を伝って素早くかわす。
守護像は容赦なくエルを追って打ち続ける。
「最初から容赦がないね。」
エルは
守護像に風の刃が切りつけられ風の鼬が纏わりついてひっかきまわしているがあまりダメージはない。入っても自己再生で回復されてしまう。
(防御と耐性が高いから多少魔力を込めて撃ってもダメージはないか。それなら...)
エルは空中歩行で相手に近づき炎斬、水斬、雷斬、氷斬を高速で飛ばす。
守護像は瞬時に魔法結界を張って防ぐ。
(なるほど。この辺からダメージがあるのか。)
エルは立て続けに
守護像は魔法結界を張ったが壊され攻撃を受けた。
エルはすぐ後ろを見て空間接続テレポートした守護像に対応した。
守護像は二本の槍でエルを突くがエルは軽やかに避ける。
エルは近づき魔法結界を張って至近距離で火炎砲を撃った。
守護像の顔は砕け危機を察して空間接続テレポートで距離をとった。
「意外とやるね。」
守護像は回復魔法で再生させて、エルの上空に雷雲を発生させて雷を落とす。
エルは疾風脚と空中歩行で速く前進し嵐刃に漆黒球を乗せて撃つ。
守護像は結界と魔法結界で防御を図り、攻撃が治まって防御と解いた途端複数の水刃と共に土煙と共に飛び出してきた。
結界を張ろうとしたが追いつかずに斬りつかれた。
守護像は勢いに負けて後ろに倒れた。
「なかなか強かったから楽しめたよ。それじゃ...」
キーン
エルの頭に頭痛が走る。
「何…一体。」
自分の目には過去...いや、誰かの記憶が映った。
実験室のような場所にいた。
『止めて。嫌っ。』
一人の男性が映る。しかし顔砂嵐のようなものが出ていて認識することができなかった。
『君は...実っ...だから耐え…といけないよ。』
(誰?誰なの?)
エルには誰なのか検討もつかなかったがどこかで会った。そんな気がした。
記憶から覚めると目の前には膝を着きながらも立とうとしている守護像が居た。
エルはなんとか立ち直した。
『番人の遺跡の守護、ゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・・』
突如世界の声と呼ばれるものがバグったように狂った。こんなことは今までで一度もなかったと思うエル。砂嵐のような霞んだ音が混じりうまく聞き取れない。
『...ザザザ、ザザッの心核コアの一部は覚醒進化に成功しました。』
守護像そ背中から腕が二本増え、上半身の服の造形が崩れ落ちて筋肉質な男性の体の造形が表れる。
目は大きく開き口から煙が出て全身に黄色い光る線の模様が入り頭の上に光の輪ができている。
「最悪の事態だ...」
普通の
「早くなんとかしないと!」
エルは距離をとって装甲強化と身体強化を使って攻撃に備える。
守護像は同族召喚を使用した。
(
しかし、予想以上の者を呼び出した。像ではなく全身が黒く顔の見えない髪の長い少女が複数体召喚された。
「なにあれ?」
解析しても正体不明の一切のデータが“無し”と書かれていてわからない。
守護像がエルに指を指した途端に黒い少女達が空を飛んで物凄い速さでエルに近づいてきた。
エルは反射的に鎌を振った。少女たちの胴体は半分に斬れたがまるで斬った感覚がない。
すぐさま少女の体はくっついた。少女は魔法は撃ってくることはなくただエルを不気味に笑いながら殴るだけだった。
物理的な痛みはほとんどなかった。でも精神に響いた。
殴られる。
『ここは...なの?』
殴られる。
『私...ぬの?』
殴られる。
『大丈夫。僕が君を…』
殴られるたびに知らない記憶が映る。映る。映る。映る映る映る映る映る映る映る映る映る映る映る映る映る映る映る映る映る映る映る映る映る映る映る!
エルは自然と無意識化に沈んでいった。暗く、深く...
少女達がエルから離れた。エルの体は気がつくと巨大な宝石の上にいた。
守護像は
するとその鉱石は輝きを増して
エルの肩を掠る。通り過ぎた
それが数か所に渡って行われ
エルの身体はだんだんとボロボロになっていく。
(私は・・・)
「私は...」
「(私は...」)
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