第二十五話 女子とデート?

次の日

俺らは前よりかは平和な朝を迎えた。




「起きろ、智一。顔洗って飯食いに...」




気持ちよさそうに寝て、昨日色々ありすぎて疲れているのだろう。

もう少しだけ寝かせてやるか。


食堂に行くとエルと会った。




「おはよう、淳也君。」


「おはよう。ミナは疲れて寝てるのか。」


「そう、ユンタも一緒にね。智一君も?」


「ああ。悪魔と戦ったあげく、洋介さんらとも【酒で】戦ったからな。しばらく起きそうにない。」


「なるほどね。それじゃあ、今日は二人で頑張ろうね。」


「うん。」




食事が済んでギルドへ向かう。向かってる間には人々から感謝された。嬉しい。

Aランクに昇給して受けられる依頼の幅も広くなり欲しい素材や報酬が多くなった。




「にしても、今日はハンターの数が少ないね。」




受付嬢いはく、ベテランハンターは昨日の宴会で酔いつぶれてこれなくなってしまい、ランクの低い新人しかいないのだそうだ。

新人ハンターは低ランクのクエストを受けて慣れない仕事にも手を付けているのでクエストクリアに時間がかかり帰りが遅くなって少ないのだそう。




「ただこのままだと中ランク以上を受けるハンターが一時的に減るから依頼主の危険性も上がる。」


「で今動ける私たちが代わりに引き受けると。」


「そういうことだな。新人ハンターの方も気になるし偵察も加えて新しいスキルの使い方も早くマスターしたいと思っていた。丁度いいじゃないか。」


「決まりだね。」




俺らはクエストに向かいC~Aランク合計30件のクエストに向かった。


中級回復薬の納品、トロールの討伐、下級竜レッサードラゴンの討伐、マンドラゴラの採集、シャドウバットの討伐及び洞窟最深部までの調査等、次々と目的を達成した。




「く、来るな!!」


「もうダメだぁ。」




新人ハンターとその人たちを襲う岩亀ストーンタートルを見つけた。Cランクの魔物であり、きっと討伐対象外なのだろう。




「エルはハンターを頼む。」


「よし、任せられた。」




エルは鎌を回して岩亀ストーンタートルの土魔法:石弾を全て防いだ。


俺は風魔法:風車をうまく操作して岩亀ストーンタートルを宙に持ち上げて背中から真っ二つに斬った。




「あ、ありがとうございます!」


「いいのいいの、無事で良かったよ。それじゃあ、私たちはこれで。」


「あの、お名前は...」


「私たちのお名前はねぇぇぇぇぇぇぇ!!!」




颯爽と立ち去る俺ら。というより余り目立ちたくないのでエルを無理矢理引っ張って名乗らせる前に姿を消す。


「ちょ、名前くら教えてあげてもいいじゃん!」


「俺らは暗殺者だぞ?目立ってどうする?」


「…こんな明るい時間に黒い格好してる方が目立つと私は思います。上位悪魔アークデーモン倒した時点で目立っていると思います。暗殺者なのに突撃して攻撃してるから目立っていると思います。」




エルは耳元で囁いた。本当の事なので心にグサグサ突き刺さる。




「極力目立つ行為はしないように。」


「了解。」




その後も人助けをしたり魔物狩りしたりを続けていく。

没頭しでクエストクリアし気づいたら夕方になってしまった。


報酬も多く貰い、助けたハンター達やこの間の牧場の持ち主からも色々貰ってしまったのでお金と一部の日用品と非常食、食材には困らなくなった。




「流石に疲れたね。」


「ああ。俺も疲れたよ。」


「そうだ!ちょっと付き合ってよ。」


「?」




俺はエルの趣味と言える買い物、いや女子の買い物に付き合った。

衣服店では




「ねぇねぇ、こっちとこっちのどっちがいいと思う?」




普通ならどっちも似合うと言いがちだけど俺はオシャレに意外に細かいのでしっかりと選ぶ。




「うーん…こっちだな。」


「おお、ちゃんと選んでくれる。」




衣服店の後、アクセサリーや本店も行った。勿論、俺の分もエルと一緒に選んで買った。

予算管理はご安心を。




「クレープ食べようよ。」


「いいよ。」




俺はチョコミントアイスクレープ、エルはストロベリーチーズケーキにした。

どっちも選びたいが欲張りは自分に制限がかけられなくなってしまうので我慢して止めた。


クレープの美味しさに興奮する俺たち。




「美味しい。」


「幸せ~。」




食べ終わったのでそろそろ帰る。二人で街中を歩く。




「今日はありがとうね。」


「俺も楽しめたからお互い様だよ。」


「愛茉ちゃんが居たらこんな感じに楽しい時間は楽しめなかったかもしれないのかな?」


「…それはないんじゃないか。」


「えっ?」


「エルは誰とでも親しく話せるコミュニケーション力があって例え暗殺者という裏の仕事をしていても君を好きでいてくれる人に会えると思う。」


「どうして?」


「だってさ、俺がエルを可愛くて仕方がないと思ったから...じゃ駄目か?」


「えっ?」




エルは顔が赤くなった。俺からは夕日に当たって赤く見えているだけだと思っていた。




「さ、他の皆が待っていると思うし心配されないうちに早く帰ろうぜ。」




エルは固まっていた。




「エル?」


「…何でもないよ。」



「おーい。」


「ただいま。」


「わりぃな、寝過ごしちゃって。」


「疲れていたんだろうしいいよ。」


「それに、ミナちゃんの寝顔も見れたことだし。」




ミナは顔が赤くなってきた。可愛い一面を見れて、何よりミナの俺たちに対する緊張がなくなってきたっぽいしなによりだ。




「ちょ、何覗いてたんですかエル!!」


「ワン!!ワン!」


「ユンタも面白がらないの!」


「そんじゃ、飯でも行きますか。」


「ああ。」


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