第二十四話 宴
「ってAランク?!」
「俺と同じだ。」
「私はBになりました!」
「やったねミナ!!」
「スゲーな兄ちゃんたち!」「俺ももっと活躍してれば...」「「いやいや無理だろ。」」
こんなに上がってしまってよいのだろうかと思ったがギルマスいわく、そもそも上位悪魔アークデーモンを倒すこと自体かなり高難易度らしいのでこれが妥当なのだと。
ちなみにエルは昇格して最高のSランクになった。
「おー...」
「マジか...」
「格の差ってやつですか...」
「クゥン...」
「ちょ、引かないでよ!悲しいよ!!」
最初は引いたがその後は皆して笑った。こんなにも盛り上がったのはいつぶりだろう。
中では色々なハンターが集まってにぎわい、食べ物も豊富で名の知れたシェフがお礼にご馳走してくれる。
酒やワインが並び酒好きのベテランハンター達が食いつく。ちなみに酒類おかわりは別料金半額。
周りに人が群がり、対応するのに少々大変だったがギルマスや洋介さんが止めたおかげで疲れずに済んだ。
智一は洋介さんとの約束で他のハンター少数と共に酒を交わして楽しく会話した。
エルは実力とその可愛さから女性ハンターから色々質問され、男性ハンターも告っていたが全ぶりの強靭プレーをしていた。
ミナは他のハンターや受付嬢から尊敬され楽しく会話をしていた。ミナの元々の境遇を知る人もいたのでこの機会はちょうどよかったのかも。
そんな中一人の男性が割り込んできた。こないだのミナに暴力を振るおうとしたおっさんだ。
嫌味を言いに来たのかと思いきや、謝罪だった。頭を床に着け深く謝罪した。
ミナも怒っていたが許すことにしたらしい。
どうしてもお詫びをしたいとのことなのでミナに聞いていたのだが
今回のお酒おかわり一人三杯までの料金を代替わりするということでおさまった。
俺は外の二階でギルマスと二人で会話していた。
「例の件、本当に感謝する。」
「本当にいいですよ。」
「話は変わるが、君たちはいつまでこの街にいるつもりなんだ?」
「そうですね。情報収集や街への悪魔の影響、魔物の観察や防具武器の揃えなど丸々含めてざっと一か月ていどですかね。」
「そうか。それなら、この街に居る間はまったりと楽しんでくれ。」
「ありがとうございます。」
「そういえば君は人を探しにこの世界にきたんだよな?」
「はい。愛茉っていう俺の友達です。」
「見つかるといいな。」
「はい。」
ギルマスはその後、愛茉とはどういう関係なのかとか。好きなのかとか茶化してきた。
恥ずかしいが、俺は好きであると伝えた。ギルマスはとても楽しそうだった。なんだか青春ってのが懐かしく思える。
「そういえば、異世界樹ってご存じだったりしません?」
「聞いたことはないな。すまない、力になれなくて。」
「いえ、大丈夫ですよ。」
暗殺者として、そして俺のためにも異世界樹に近づいていかなければならない。
この街に居る間に少しでも情報見つかるといいなぁ。
「異世界樹かぁ…それは知らないが似たようなので
「?!」
ここで耳寄りな情報が手に入った。
「もう数年前のことだがここからこの星の反対側にある自然科学都市”レオナルド”とその50年前に南に属する村”ルシファー”で目撃情報だあったらしい。
けれども一日で消えてしまったとのことだがな。」
「そうですか...」
いつどこで現れるか分からない神出鬼没ということか。
「まあそう落ち込むな。また見つかるかもしれないし他の地方や街を巡っていくのもいいかもしれない。
愛茉さんも見つかるかもしれないしな。」
「そうですね。ありがとうございます。」
「そうそう。その調子だ。それに今日は淳也君らのお祝いだし今日は心を休めてまた明日考えればいい。」
ギルマスは俺の背中を強く叩いて皆の居る一階に戻る。
そうだな。頭を使いすぎても逆に目標から遠ざかるだけか。
俺も今日は休み、下で食事を楽し入浴と歯周病防止をして現在ベットの上にいる。智一はいびきが無いので落ち着いて考え事ができる。
過去に匝瑳と同じ部屋で寝たが、いびきのせいで全く眠れなかったことがあったのでその部分でも智一と組めて良かったと思う。
ギルマスからもらった情報、この新しいスキルを駆使して調べられるだろうか。
悪魔らを倒したことによってレベルも上がりスキルも増えた。
ちなみに俺はLv80から103 智一はLv71から99 ミナはLv43から72 ユンタはLv51から75
エルは…Lv1
新スキルは
空間魔法:空間感知
風魔法:風車 疾風脚
以上だ。
俺が特に気になっているのが、
これは俺が目で見た情報で知りたいものの情報を世界のネットワークとやらで検索してくれるという。
早速スキル発動。
『異世界樹バックルームツリーに関する情報を検索しています。
...
検索結果が出ました。』
なになに?異世界樹バックルームツリーは世界で神出鬼没に出現する幻の大樹。
約一日で消滅してしまう。異世界樹バックルームツリーの周辺は出現してる間、魔素濃度が高くなり魔素中毒になるものが発生したり、魔物が現れやすくなる。か。なかなか有力な情報は無いな。てか少ない。
この一件しかない。
これの情報量を増やすには、俺がまだ知られていない情報を聞いたり見たりすることが必要でその情報から推測される情報を生み出しより具体的な事が分かるようになる。
そういえば俺の鬼人についても分かるのはだろうか。
俺は自分に向けて
『鬼人に関する情報を検索しています。
...
検索結果はありません。』
無いのか。
俺特有のものであるか、元居た世界のものなのか全く予想がつかない俺はこの世界で少しずつ探していこうと思った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます