第二十三話 眠る間
悪魔との戦いから約26時間が経った。
街の破壊された建造物は修正され被害にあった人達は回復専門師(医者、救護班)によって死者や重症者はいなかったとのこと。
朝日と共に目を覚ます。そして宿のベットの上にいた。
あれからどうなっただろう、仲間は死なずに済んだのだろうか、これまで通り街は街でいられるのか等考えることが多くあったが全身の少しした痛みで考えるのは後にしようと思った。
扉から智一が入ってきた。
「おはよう、調子はどうだ?」
「まずまずかな。てか、今起きたってよくわかったな。」
「なんとなく淳也が目覚める頃だろうなと思ってただけさ。」
落ち着いた喋り方をする智一。
長年の付き合いだからといってそこまで分かるのは少し怖いが安心もした。
智一からあの後の状況を教えてもらった。
「ギルマスや洋介さん達のおかげでもあるからそこまで貰わなくてもいいんだがな。」
「俺もそう言ったんだが俺らのおかげで被害を最小限にできているんだから八割、いや九割もっていくべきだよって迫ってきたよ。」
俺らは微笑みながら、街の人々の優しさを語りあった。
「淳也君(淳也さん)?」
エルとミナとユンタが入ってきた。
「淳也君!よかったぁ。心配したんだよ。」
「淳也さん、生きていますよね?」
「クウゥン。」
エルは慌てて、ミナは泣き出し、ユンタはおはようのすりすりをしてきた。
「心配させてごめんな。」
仲間に愛されている。そう思った。
「そういえばなんだけどね、淳也君のあの謎の悪魔みたいな力は何?」
そういえば見られてたんだったな。いつか話さなきゃいけないとは思っていたがここまで早まるとはな。
俺と智一が異世界から来た事、俺らが異世界樹からこの世界に来た事、俺がその異世界樹と何らかの繋がりをもっていた事。
知っている事話せる限りで話した。
「そうだったんだね...」
「驚きです。二人がまさかこの世界の人ではなかっただなんて。変わった方達だとは思っていましたが…」
この世界自体に異世界から来ることを知った。むしろ今言って正解だったかもしれないと思う。
ギルマスも入ってきた。
「おっと、邪魔だったかな?」
「ずっと盗み聞きしてたくせに。」
「バレていたのか、すまなかったな。」
「いいですよ。ギルマスを信じて語ったんですから。」
「というと?」
「ギルマスの友達の洋介さん、あの人も異世界でしょ?」
「そこまで知っていたのか。」
この世界で洋介って形の名前は珍しいと思ったからね。それに前に図書館に行ったときに名前の形で日本、中国系統はないと本に乗っていた。
偽名で考えていたんだけどね。
「「ええええっ!!」」
いきなりエルとミナが叫び出した。
ならツッコめよって言いたかったけどキャラじゃないから止めておいた。この二人意外に...
「天然なのか?」
だから何で智一は俺が思ったことすぐに言うかなぁ。
取り合えずそれは置いといて。
「で、本題はそこじゃないでしょ。」
「ああ。だがその前に、街を救ってくれてありがとう。代表して心から感謝する。」
「いえいえこちらこそご協力感謝します。」
「で、本題だが私たちが戦ったデント率いる組織は別の巨大な組織の一部だと分かった。」
ギルマスから資料を渡された。
組織名:WDO(世界独裁組織)
犯罪や禁忌といった犯罪行為で社会全体を支配し、活動する宗教組織。
世界各地で目撃情報があり、その実態は具体的には不明。
まだあんな奴らがいるんだな。
今回の戦闘で知ったのが組織員の半分以上が甘い言葉に騙され洗脳されているということだ。
人の弱いところを突く、まさに詐欺の王道手口だな。
「本当のところ、君たちにはもう関わらずにいてほしかったが、今回の上位悪魔アークデーモンを討伐したことで組織は大きく動く可能性がある。だから一応目を通してほしいと思って伝えにきた。」
「あと、俺らにその組織の調査もしてほしい。ということでしょ?」
「智一君も淳也君と同じくらい勘が鋭いな。」
ギルマスは苦笑いしながら言った。そしてその気持ちは本物だったようだ。
「勿論勝手なことだとは思っている。しかし、出来る事なら君らの力を私たちに貸してほしい。だから...」
「別にいいですよ。元々そういうのを潰すのが俺らの仕事なんで引き受けますよ。」
「感謝する。」
ギルマスは頭を深く下げた。俺らはギルマスをなだめた。
そこから数分後、俺らはギルマスにお祝いがしたいのでぜひ来てくださいとお願いされたのでギルドに向かった。
ギルドに着くと何やら中が騒がしい。入ると全員が俺らを歓迎してくれた。そして四人揃って同時に驚いた。
こうも揃ってしまうとなんだか笑ってしまう。
今回の祝いはWDOの一部を壊滅させた事、上位悪魔アークデーモンの討伐成功、そして俺らのランク上昇祝いだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます