第十五話 上位悪魔(アークデーモン)
犯人達の前から黒い異空の穴が現れた。
そこから出てきたのは和装をした太刀を持つ顔の青い男だった。
「全く、世話の焼けることしおって。」
「手を煩わしてしまい申し訳ありません
「まあよい。仲間は減ってしまったがそれでも計画は進んでおるし何も言わん。」
解析してみたが
名前:
武器:黒曜刀
装備:魔法効果上昇和装服
能力スキル:推測 空間魔法
仲間:裏組織の手下A B C D…ect
攻撃:2200 防御:1845 速さ:62 魔力:220 魔法耐性:80 知力:500
そのステータスに圧倒された。なんたって蘇生進化した
化け物が…
でもこいつをどの道倒さなきゃなんないのは事実。
なら逆にラッキーと思うべきだ。
「悪魔だろうがなんだろうが俺らは戦うぜ。」
智一の言う通り俺らは戦う。戦い続ける。
エルとミナもそれに応じるように刃先を向けた。
「ほう、なかなかの手練れだな。ぜひお前らと手合わせしたいところだ…が、こちらも暇でないのでな。今回はこの腰抜け共と拠点に戻る。」
エルは力強く鎌を振ったが異空間に逃げられてしまった。悪魔は笑みを浮かべて。
『また、会えることを期待している。』
「逃げられたな。とりあえずまた手がかりを探すか。」
「そうですね。」
「ごめんなさい。取り乱してしまって。」
自分のせいだと抱え込んでいるエル。でも俺も全く同じことをしようとしていたので責任追及はしない。
「誰にでも失敗はある。次へ生かそう。」
「くよくよしても何も始まらないぜ。前に進むだけだ。」
「そうね。ありがとう。」
「クゥン」
「ユンタもありがとう。」
ユンタみたいな犬はこれからの時代のアイドルになる可能性がある。癒しとしての。
「ですが手がかりが無くなりましたね。」
「いや、何とかなりそうだぞ。」
「「「え?」」」
俺の
さっき悪魔が使っていた空間魔法の一瞬出た粒子を吸収し最大半径5km以内の敵の空間転送先を見つけられるのだ。数分程度なら。
「お前、何でもありだな。」
「まあ、その魔法の一瞬の粒子を瞬時に取り込む必要があるから使える範囲が限られるし最後に出た場所しか分からないから経過したら特定も難しくなる。」
「それでも凄いよ。」
「で、でもこれで明確な位置を特定できますね。」
俺は目を閉じ解析を始めた。
目標の位置は北口方面駅地下。地上からからかなり下だ。
特定できなくなる前に早く移動しよう。
いざ移動開始。
敵側は地下の暗く広い場所にいた。
「申し訳ありません。私たちがふがいないばかりに…」
配下は頭を下げ大きなパイプやくず鉄でできた大きな椅子に堂々と座る
「構わん。貴様らがちゃんと仕事をこなしている事も知っている。これ以上大きなミスをしなければ私から言うことはない。
で、デントよ。例の道具は持ってきたか?」
「はい、こちらで用意させております。」
一人の配下がクリスタルガラスでできた瓶に入った特殊なエメラルドグリーンカラーに輝く魔法薬品を台車に乗せて持ってきた。
「うむ、ご苦労。これで私の計画と貴様らの国への反乱も順調に進むというものだ。」
魔法薬品を嬉しそうにかがげ揺らす悪魔の後には魔物のような何かが沢山いた。
地下に警報ベルが響き渡る。
「何事だ!」
「侵入者です!先ほど
「クソッ!どこまでも邪魔しにきおって…
「いや、この際いい機会だからこの実験台を使おう。こいつらと共に奴らを殺せ!」
「承知しました!」
「さて、実験開始だ。」
俺らは
階段、道を駆ける。
「まさか使われなくなった地下鉄のホームをアジトにするなんてね。」
「奴らは世間様に見つかったらまずい事をしているのがわかるな。」
「ミナがギルドに応援を呼んでくれたとはいえ、いつ到着するかわからない。できるだけ被害を最小限にしかつ、持ちこたえるぞ。」
薄暗い階段をおり、先の見えない廊下を駆けていると
ローブを身につけた男と女がこちらに攻撃してきた。
複数の火球と氷柱弾が飛んできた。面倒なので避けたいところだが、廊下の幅が思ったより狭いので攻撃し返す。
床を蹴って前に飛び、火球と氷柱弾を大剣で抑えた。
取りこぼした魔法も智一の拳で防げた。
俺らは
「炎魔法
男が火の盾を生み出したがまるで綿飴をわけるようにあっさりと切れた。
「ちょ、まっ!」
「すまん待てん。」
二人の顔の前で寸止めし、切るように見せかけた。
「な、なんだ。ひびってんじゃねぇか。」
「人もろくに切れない腰抜け…」
ように見せた浅い峰打ちだ。
二人の背中に浅く傷が入り倒れた。
「これ淳也だけでもよかったんじゃないか?」
「人助けしようって言い出したの誰だっけ?」
「まあ念には念をだよな。」
誤魔化したな。
それから進んで行くもののどこもかしこも配下だらけだ。正直下に着くよりも体力が不安になってきた。まだ余裕だけど。
雷を纏った配下が不意打ちで飛んできた。
「魔法結界!」
ミナの魔法結界によって不意を付かれる事もほとんど無い。
「ガウッ!」
「いてっ!」
ユンタの毒牙(麻痺)や暗黒魔法 漆黒球で攻撃や拘束もほとんど楽に済ませられる。連携の取り方も巧いので配下相手に困る事は無い。
「反応が近いです。」
もうすぐボスのお出ましってことか。
角を曲がると少し広く蛍光灯が点滅している部屋に着いた。
ローブの男三人、先ほどの配下より少し強いのが現れた。
「ここは通さん!」
「悪ぃけど、進ませてもらうぜ。」
「待って、奴らの後に何かいる。」
デカい何かがいる。
ミナの正確な魔法探知に引っかからないってことは隠ぺい魔法で魔法を覆い隠したのだろう。
「俺らだけだと思ったか?こい、人造魔獣!」
のっしのっしと来るメタル装甲のエンジンの付いた大猪。
異空間から現れた頭が食虫植物の巨大亡霊武者。
「貴様らに教えてやろう。技術の神秘とやらを。」
人造魔獣と言ったか。魔物に人が手を加え道具にするなどおぞましいことだ。
「悪趣味。」
エルに同感だ。魔物だとしても無理矢理道具にするのはさすがに目に入れて痛い。
「これは大仕事だな。」
楽しそうにモニターから監視する
「良い実験結果を期待しているぞ。暗殺ハンターよ。」
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