第七話 反撃
この世界で一度に大きく進化する方法が二つある。
一つは
覚醒進化:個人差はあるが、ある一定の命を狩り強くなりたいと願うと大幅に進化できる。
もう一つは…
蘇生進化:死に際に強く生きたい、立ち上がりたいと思うと進化できる。効果は最高で覚醒進化のおよそ6倍以上にもなる。
「マジかよ…」
「さっきよりもきついけど私も配下の方を倒しつつ女王の攻撃に転じるからなんとか耐えよう。」
「だな。」
「さっさと倒して休みたい気分だよ。」
配下の
「俺が先頭に立つ。術 鬼悲鳴。」
術 鬼悲鳴 は大剣の柄に付いている鬼から波動が放たれ対象を混乱 不快 怯み 精神苦痛を与える技。
波動で
進化した女王には効果はいまいちだ。
「二人とも俺の後に!鬼悲鳴最大出力で潰す!」
鬼悲鳴最大出力によってそこら中が吹き飛んだ。
これでなんとか…?!
舞った土煙から大型の魔物が二体いた。
女王を守ったのはこいつらか。
黄金の鎧を身にまとった体長6m程の特殊個体
ローブを身にまとい、右手に魔法の杖を持つ特殊個体
女王は嬉しそうにしている。
女王が何か
智一は
俺は
智一は騎士にジグザグに近づき、フェイントをかけながら
騎士の頭が凍り始めた。
『桜井 智一は
智一は近接格闘術なら凍らせる事ができるようになった。
しかし余り効いていないようで、騎士の大振りの剣が智一のあばらを突いた。
ギリギリ防御したが、斬る勢いが強く智一は壁に叩きつけられた。
(この様子じゃほぼノーダメってことか。)
エルは魔術師に炎三連砲を連射し目くらまし変わりに攻撃した。魔術師は容易に防御魔法で防いだ。
(普通の魔術師なら魔法発動後に
エルは風切りと
(!?そんな嘘でしょ?)
普通の魔術師なら次の魔法を使うのに時間がかかる。
普通ならね…
魔法連撃は魔力が無くなるまで魔法を連続で使える。
エルと同じである。
(こっからは持久戦ね…)
魔術師が不快な笑みを浮かべる。
魔術師とエルの削り合いが始まる。
俺は一番相性の悪い
炎無しで戦うのが効率的か。
火傷を狙ってる場合じゃない。確実に少しでも多く体力を削ることが求められる。
大きな鎌が俺に降りかかる。先ほどよりも速いが避けられない訳でないが、鎌が突き刺さったところが溶け出している。
手を切り落とそうとしても硬くてとてもじゃないが今の俺では切れない。
後に回り込もうとすると女王の尻尾の針が飛んでくる。
女王の下に潜り込んだ。
さすがに内側は外側より硬くはないだろう。
思った通り外側ほど硬くはなかったが歯の通りが悪い。
回り斬りで一転に連撃をいれるも女王は器用に魔法毒を放ってくる。
持久戦でも勝てる気がしない。
女王の鎌が俺の体を裂いた。
「がはっ!」
そこに
………………
…………
こんな時に何を考えているんだろう。でも俺は思い出した。
全て創造力ときっかけだった。こういう事をしたい、この状況を変えられる力この相手に有効な力を扱えるようにしたい。そうしたら
もしそうだとしたら…
一か八か、やらずに後悔するよりやって後悔。
願いは届いた。
『蘭 淳也は
嵐刃:強風を起こしてその中に風の刃を大量に生成して対象を切り刻む。
風切り:風の刃を飛ばす。所持者の魔力技術によって刃の厚さ、速さが変わる。
合成効率化2:魔法や
「ピンチは最大のチャンス。」
今の状況に一番合っている。
この状況に至らなければこの力を取得できていなかった。この事に気づかなければ俺はこの世界で生きていけなかったかもしれない。今も。この先も。
誰も守れないままだったかもしれない。後悔だけがつきまとい。ピンチは一番生きている事を実感し同時に運命を塗り替えられる時でもある。
仲間に甘える自分はもういない!
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