#2(2)
どーも。13才の若さで「住民が飢餓寸前の状態」で「妖魔によって滅ぶ運命」にある極貧の村を継いでしまった新九郎くんをはかなんでいる、俺氏です。
いや、さすがに初期の村でこれは酷くないか?
というか、妖魔イズ何!?
そんな人外生物が出てくるような魔境なの、ここ……って、そう言えば、ダンジョン要素があるんだったね、このゲーム。忘れてたわ。
「ダンジョン都市を作ろう」……つまり、犬山荘はダンジョンの中にある村ってこと?
とりあえず、妖魔と戦うための戦力増強と村人の飢餓の解消が急務なのは理解できた。
が、どうすればいいのか……。
俺は他の選択コマンドを確認していく。
あー、もしかしてこれか?
「外交」
*朝廷に対する貢ぎ物:領地収入の4割5分
*幕府に対する貢ぎ物:領地収入の4割5分
領地収入が具体的に何を指しているのかは判然としないところだが、朝廷と幕府への貢ぎ物が収入の9割。
うん、馬鹿じゃん。
これって新九郎くんのお爺ちゃんの方針ってことでしょ。
そりゃあ村が貧しくなるわけだ。
お爺ちゃんがなんでそんなに尊皇の志が高く幕府の忠臣だったのかは知らないが、新九郎くんはリアリストだからね、どっちの貢ぎ物も引き下げて、と……。
>>朝廷に対する貢ぎ物をゼロにすると帝の加護が得られなくなります。
>>戦闘時に体力がゼロになると死亡します。
>>本当に貢ぎ物をゼロにしますか?
不穏なログが表示された。
んー?ひょっとして幕府の方の貢ぎ物にも何か意味があったりするのか?
もうちょい説明プリーズ。
少し考えたが、さすがに戦闘で負けて主人公(新九郎くん)が死亡、ゲームオーバーとかは嫌だし、朝廷への貢ぎ物は最低限残すか。
幕府?知らない子ですね。
「外交」
*朝廷に対する貢ぎ物:領地収入の0割5分
*幕府に対する貢ぎ物:領地収入の0割
これで余裕ができて住人の飢餓状態が改善される……よな?多分。
よし。次に移行。
俺は「登用」のコマンドをクリックする。
俺のテンションはにわかに上がってくる。
いや、だって、ここまで「戦国風美少女SLG」と言いながら「美少女」の影すらなかったけどさ。つまり、仲間が美少女ってことでしょ?
エロゲ紳士の俺が言うんだから間違いないね。
>>10人の登用希望者が来ています。
10人も?いいねーいいよー。
全員雇ってハーレム築いちゃおうかなー。
ぐふふふ……。
登用希望者のリストが表示されたので、一番上にある「鈴木花子」を見てみる。
さーて、どんな美少女かな。
彼女の顔CGを目にした俺は呼吸を止めた。
髪の毛はステレオタイプのパーマヘアー。
額と頬にはくっきり見えるほうれい線。
ちっちゃいお目々とぷっくり腫れぼったいたらこ唇。
どっからどう見ても下町のオバタリアンです、ありがとうございました。
フ○ック!!
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