第九章:第二次人森戦争・後編-11
──邪悪。
余りに……余りにも邪悪。
エルダールは《重力魔法》の発動下の中で僅かに動いた頭を精一杯仰ぎ見、愛する孫二人──ディーネルとダムスが苦痛に悲鳴を上げる様を見せ付けられていた。
(こんな……こんな事が……ッ!)
迫られたのは二択。
このまま孫を見捨てるか、それとも英雄たる自分の全てを差し出すか……。
こんなもの、最早二択にすらなっていない。
悪意を煮詰めたような余りに残酷な二択に、エルダールの心は憤怒と憎悪に震える。
……が、それとは別に、彼の中にまた別の感情も湧いていた。
(ゆる、せるかぁ……。赦せるものかぁぁッッ!!)
全身全霊。命すら消費して身体に力を込めようとエルダールは振り絞る。
しかし幾ら力を入れようとまるで穴の空いた風船に空気を送るかのように力は入れた側から抜けていき、ならば魔力を、と神経を擦り減らしながら練り上げようと試みるが、それも同じように練る側から溶け出していく。
(な、ぜ……だッ!? 何故、何も……出来んッ!?)
──エルダールは竜をも討伐せしめる紛う事なき英雄。
例え深い深い痛手をその身に刻もうと、例えその身で数十倍もの重力下に晒されようと、彼のポテンシャルならば必ずや立ち上がり、クラウンに逆襲する事も決して難しい事ではない筈だった。
──その答えは、存外にシンプルなものだった。
(──ッ!! この、この傷かぁッ!? この傷が、私の力をぉッ!?)
エルダールの身体に刻まれた左肩口から右脇腹に掛けて走る巨大な斬創……。深く深く己の肉を切り裂き、場所によっては致命的な臓器や太い血管すら切り裂いているそれは、だがしかし不可解にも一切流血していなかった。
が、その代わり本来ならば赤々と迸る血色の傷口は、まるで底無しの井戸でも覗いているように暗くて昏く、何もかもを飲み込んでしまうような深淵が刻まれていたのだ。
(あ、れは……あの大鎌は、ただの大鎌では無かった、というのか? 闇、属性──いや、これは闇属性とは、違……)
そもそもの話、英雄であるエルダールを傷付ける事は並大抵の事ではない。
その辺で調達可能な一般的な武器は勿論、ドワーフの職人が手掛けるような最上品ですら彼に傷を負わす事はかなり難しい。
勿論、魔法でも同様。世界最高位とも呼ばれるフラクタル・キャピタレウスの渾身の魔術ならば話は別だが、そうでない物からの魔術などエルダールにとっては微風に等しい微々たるものだろう。
では今、己に刻まれているこの傷は何なのか?
英雄たる自分を傷付けるばかりか追い詰め、死にすら至らしめようとするこの斬創を刻んだあの大鎌は一体何なのか?
闇色をしたあれは、本当にただの闇属性の大鎌なのか?
──いや、そんな事より、とエルダールは思考を切り替える。
どんな原因にせよ力も魔力も練れない以上、選択肢は限り無く狭まる。
今クラウンの両手には、自身が愛して止まない可愛い孫二人の命が握られている。
いや、命だけ握られているならばまだ優しい。
奴が本当に握っているのは「死なせ方の自由」……。死に至らしめるにあたって踏むであろう工程、その自由だ。
徹底的に拷問し、苦痛と苦悩を可能な限り浴びせ掛け、自らが死を望むまで絶対に殺さない──いや、望んだとしても暫くは続けるかもしれない。
その選択肢が、自由が、クラウンの両手に握られている……。わざわざエルダールに双子の悲鳴を聴かせているのは、そんな脅迫が含まれているのだ。
答え方次第、交渉次第ではそんな余りにも残酷な未来が選ばれてしまう……。そんなもの、エルダールが耐えられる筈がない。選べる筈がない。
──故にエルダールは決意する。
愛する孫達との今生の別れを、そんな孫達を茨の道へと突き落とす覚悟を。
(……すまない、ダムス、ディーネル。不甲斐ない私を……険しい道しか用意してやれない私を許してくれっ!!)
「『さあ、選びなさい。お前は一体どうするんだ?』」
「『……わた、しが──』」
「『む?』」
「『私が、犠牲になってやろう。だから……二人を解放するんだ……』」
「『お、じぃ、ちゃぁん……ッ!?』」
「『だ、めぇ……だよ、おじい、ちゃん……ッ!!』」
激痛に喘ぎながら双子は祖父の決断に異を唱える。
だがそんな感情論が罷り通る段階ではない。
「『……ふむ。もう少し抵抗するかとも思っていたが……まあ、いい』」
クラウンは双子の頭から手を離すと《
これによりクラウンが離れていても暫くは双子に電撃で苦痛を与え続け、双子を決して逃さぬように楔を打つ。
(ぐ……。一切の手心も油断も挟まない、か……。私を追い詰めるだけは、ある……)
最早怨嗟を通り越して感心が湧き出すエルダールは、そんな欠片も油断してくれないクラウンが眼前に迫って来るのを鋭く
「『では改めてだ。エルダールよ、私に全てを差し出しなさい。そうすればお前の愛する孫達はこれ以上苦しまなくて済むぞ?』」
「『……その戯言──』」
「『ん?』」
「『私、には、貴様がディーネル達を苦痛から解放──殺すと言っているように、聞こえるな……』」
エルダールは勿論、クラウンの一言一句を信用などしていない。
口にする言葉の虚実は兎も角、下手な解釈、安易な理解は自分達の寿命を縮め、クラウンの思惑や都合の良い状況を作りかねない。
あの英雄エルダールを死に追い詰めているのだ。慎重過ぎて困る事など一つもないだろう。
「『……はぁ。まったくもって心外だ──と、おちょけるのはもういいか……。私としてはなエルダール。何も無惨で悲劇的な結末を望んでいるわけではない』」
「『──っ!』」
それはエルダール程の超越者であったからこそ気が付けた余りにも僅かな変化。
恐らくはクラウンの親類とロリーナくらいでしか悟れないちょっとした機微……。それを彼はこの土壇場で見付ける事が出来たのである。
(これは、好機だ。ならば後は慎重に……)
「『……どういう、意味だ?』」
「『もしかしたら耳にしているかもしれんがな。私はコレでもアールヴとの和平を結ぶ事をこの戦争の終着点としている。侵略や支配、殲滅を望んでいるわけではないのだよ』」
「『……
「『お前ならばわざわざ説明せんでも解るだろう? 互いの種族特性を鑑みれば、支配する事のメリットはそこまで宜しくない』」
「『……』」
人族とエルフ族は外見こそ似通っているものの、その特性はまるで違う。
仮にどちらかがどちらかの国を支配したとして、その土地や種族を都合良く利用しようとした場合、無駄な労力と時間が掛かる。
勿論、将来的な利を考えれば必要経費になるのかもしれないが、それならば最初から双方で協力関係を構築し、適材適所に徹底する方が何より効率的で生産的なのは火を見るより明らかだ。
「『あの双子にしてもそうだ。二人には
「『……だが、貴様は先程二人の命を……』」
「『優先順位の問題だ。お前が拒むならば致し方無く未熟なままの果実を回収するハメになる……。それは私の望む所ではない』」
「『回り、クドイな……。つまり貴様は、素直に私の全てを差し出せば二人を嘘や屁理屈無く解放すると、そう言いたいのか?』」
「『信用が無いからな。それこそ虚偽や屁理屈を勘繰られ話が平行線になっては面倒この上無い。回りクドくもなる』」
「『……』」
そう語るクラウンの声音に嘘は感じられない。スキル《虚偽看破》が使えればもっとハッキリしたのだろうが、今のエルダールにはそんなスキルを発動する魔力すら練る事が出来ない。
経験則のみで、クラウンの言葉を判断しなければならない。
「『……何にせよ、だ』」
「『む?』」
「『私が死んだ後、お前が口約束を守る保証など無いだろう? 私にそれを、確認する術は、無い』」
「『……』」
「『……な、んだ?』」
「『いや。三回も同じ話をするのが少し億劫なだけだ。良いか? 二度は説明せんから耳を良く澄ませよ?』」
そうして語られる、クラウンからの私利私欲に塗れた提案。
《完全継承》でエルダールの全てを継承した後に殺し、魂を回収してそれを武器に封入する事で意思と記憶を維持したまま存在する事が出来るというもの……。
最早人権など無介入な、常軌を逸している提案であった。
「『……貴様に、並の倫理観というものは無いのか? 死者すら自らの欲に利用しようなどと強欲で傲慢にも程があるッ!!』」
「『私にとっては褒め言葉だ。それに倫理観を外れた
「『……狂人めが』」
ぼそり、とエルダールが呟くと、それを区切りとでもするようにクラウンが一拍手を叩き、エルダールに向け笑顔を作る。
「『さて、楽しい楽しいお話もそろそろ締めだ。お前には私の要求を選択して貰うわけだが……賢明な判断を期待する』」
「『……』」
──本人は、気付いていない。
言葉を重ねる度、笑顔を作る度、ほんの僅か、微々たるものではあるが少しずつ、気が緩み始めているのを。
現に双子を苦しめている
これが果たして千載一遇のチャンスなのか、それともその隙すらクラウンによる策略の一部なのかは判然としない。
今までの事を踏まえれば後者の可能性はどうしたって拭い切れはしないが、それでも今のエルダール、そしてディーネルとダムスにとっては最後で最期のチャンス……。悩む余地など無いに等しかった。
「『……ハァァ……』」
「『む? どうした? ここに来て悩む事など──』」
「『ダムスゥッ!! ディーネルゥッ!! 懐中時計を叩き割れッ!!』」
「『──ッ!?』」
叫んだエルダールの言葉を聴き、クラウンは双子の方を振り返る。
だが時既に遅く、双子は以前開戦前に渡されていた二つの懐中時計を激痛に耐えながら取り出すとそれを目一杯力を込めて叩き割った。すると次の瞬間──
「『なッ!?』」
「『なにッ!?』」
叩き割られた懐中時計はその内部から強烈な光と突風を放ち始め、双子の身体をそれぞれが包んでいく。
その影響で双子の間に突き立てられていた
「『お、お爺ちゃんッ!?』」
「『お爺ちゃんコレッ!?』」
「『心配するな二人共ッ!! お前達ならば必ず……必ず迷わず正しい道を進めるッ!!』」
光と突風はそんな双子を完全に覆い包み終えると、直後に彼等の周囲の空間に謎のヒビが入り出し、少しずつ異空間の景色が広がり始めた。
「『クソッ!!』」
明らかに双子に異常事態が発生し、状況から察するに何かしらの手段で逃亡しようとしている事を悟ったクラウンは忌々しそうに眉を
しかし空間にヒビが入り歪み始めてた空間の座標は最早規定の法則で捉える事など叶わず、
「『お爺ちゃんッ!!』」
「『お爺ちゃんッ!!』」
「『こんな祖父ですまない、不甲斐ない限りだ……。だがお前達さえ生きていてくれれば、私はどんな死に方だろうと後悔しないッ!! お前の未来を見届けられんのは悔しいが……。達者で生き延びなさいッ!!』」
そして空間の一部が完全に崩れ去り異空間が広がると双子を守るように包んでいた風と光は
「『お゛爺゛ち゛ゃんッ!!!!』」
「『お゛爺゛ち゛ゃんッ!!!!』」
ディーネルとダムスの喉が割れんばかりの呼び掛けにエルダール笑顔で返す。
もう二度と会う事が無い孫達の顔を、目に焼き付けながら……。
「『……さらばだ。私の自慢の孫達……。お前達が私の孫として産まれてくれて……私と出会ってくれて……ありがとう』」
「『お゛爺゛ち゛ゃ──』」
「『お゛爺゛ち゛ゃ──』」
二人の声はエルダールの耳に最後まで聞こえる事は無く、二人が完全に異空間へと身を投じると異空間に開いた穴は時が巻き戻るかのようにして急速に修復されていき、走っていたヒビもまた何事も無かったかのように戻っていく。
後に残ったのは二人が砕き割った二つの懐中時計……。最早どれだけ探そうと、双子の存在は完全に消失してしまった。
「『ディーネル……ダムス……』」
「『……』」
目の前で起きた事態を見届ける事しかできなかったクラウンは
「『……こんな代物を隠し持っていたとはな』」
「『大昔に私が討伐した竜が持っていた物だ。陛下ですら存在は知らん』」
「『ほう』」
適当に相槌を打ち、二つの懐中時計をポケットディメンションに放り込むとクラウンは改めてエルダールへと近寄り、彼の顔を真上から覗き込む。
「『追おうとしても無駄だ。あの子達の行く先は私でも──いや誰にも解らん。いつ、どこに、どうやって漂着するのか……。数時間後の近場なのか、はたまた数百年後の果ての地なのかもな。完全に運命の赴くままだ』」
「『……成る程』」
「『これで交渉は決裂だ。私はお前に絶対に全てを明け渡しは──』」
「『甘いなぁ、エルダール』」
クラウンは、口角を上げる。
尚も邪悪に、厭らしく。悪意と欲望が折り重なり凝固し、形を成したような名状し難い〝魔〟が、全てを見透かすように笑っていた。
「『な、なに、を……。貴様は知らなかった筈だッ!! でなければあの様に
「『……ああ。そうだな。完全に想定外だ。微塵も可能性を考えていなかった。それに関しては完敗だと、素直に認めよう』」
「『な、ならばハッタ──』」
「『だがそんな敗北は些末事だ。あの二人が
「『──ッ!!?』」
「『私の執着心を舐めるなよ? 諦念や倦怠を期待などするな。私は必ず奴等を探し出し、殺す』」
「『……』」
「『虚勢やハッタリに聞こえるか? エルダール……』」
──重く、濃厚で、何とも響く声音。
嘘だと思いたい。負け惜しみだと信じたい。
だが、何故だ?
何故、交渉のカードを失った筈のクラウンが未だに自分を追い詰めているんだ?
何故私は、彼の言葉に息を呑んでいるんだッ!?
エルダールは
自分の目の前に居るのは……本当に人間なのか?
「『──それに、だ』」
だがしかし、そんなエルダールの
「『また、逢いたくはないか? 孫達に……』」
じわりじわりと脳を蝕む、甘い毒のように……。
「『──ッッ!?? な、なに、を……』」
「『私は何にせよ、あの双子を探す。何年掛かろうが何処に居ようがな。だがお前の返答次第では、探しこそすれ殺さずにいてやっても良いぞ?』」
「『どう、いう、事だ……』」
「『つまりは、だ。……お前の全てを差し出せばあの双子は何があろうが殺さんし、もう二度と逢う事が叶わない孫達の顔を拝ませてやれる……。そう言っているのだ』」
「『なッ!?』」
「『逆に言えばもし私の提案を断るならばあの双子は必ず私が手ずから殺すし、お前は折角の孫達との再会を棒に振る事になる、というワケだ』」
「『く、クラウン……きさ、きさまぁぁ……』」
「『さぁ、選べっ!! 愛する孫達との再開と安全かっ!! それとも彼等を見殺しにするかっ!! ……私の本気を、余り舐めるなよ?』」
「『き、きさまぁぁ……。きさま゛ぁ゛ぁぁぁぁ……ッッッ!!!!』」
私は、何と弱く、愚かなエルフだろうか。
竜を倒した英雄? 世界に並ぶ者の無い最強の弓士? なんと下らない。愚の骨頂だ。
結局は私は、こんな人族の小童に良いように操られ、誘導され……。
最後の切り札でさえ大した意味などなく、寧ろ違う付け入る隙を与えるばかりで自らを追い込む結果となった……。本当に滑稽で、笑えない。
二度と会う事は無いと覚悟し、決断し、あんなに格好付けたクセに……。
また孫達に会えるかもしれないという誘惑に……二人の安寧に……。私は最終的に争う事など出来なかった。
矮小で、なんと醜悪な……私の「強欲」だろうか……。
「『…………』」
「『……』」
「『……一つ、条件を付け足せ』」
「『む? なんだ?』」
「『あの子達が将来、何か命の危機に瀕した時。お前があの子達を必ず救え』」
「『……無論だ』」
「『……そうか』」
「『ではエルダール。一時の別れだ。私の中で、暫く眠りなさい』」
「『……』」
「『……さらばだ。英雄』」
クラウンの手に握られた
そして遅れるようにしてクラウンの脳内に、エルダールから《完全継承》されたスキル達のアナウンスが鳴り響いた。
『確認しました。技術系エクストラスキル《弓術・極》を獲得しました』
『確認しました。技術系スキル《弓術・派》を獲得しました』
『確認しました。技術系マスタースキル《弓聖》を獲得しました』
『確認しました。技術系スキル《弩術・初》を獲得しました』
『確認しました。技術系スキル《弩術・熟》を獲得しました』
『確認しました。技術系エクストラスキル《弩術・極》を獲得しました』
『確認しました。技術系エクストラスキル《投擲術・極》を獲得しました』
『確認しました。技術系スキル《遠戦術・初》を獲得しました』
『確認しました。技術系スキル《遠戦術・熟》を獲得しました』
『確認しました。技術系エクストラスキル《遠戦術・極》を獲得しました』
『確認しました。技術系エクストラスキル《調合術・極》を獲得しました』
『確認しました。技術系エクストラスキル《栽培術・極》を獲得しました』
『確認しました。技術系エクストラスキル《登攀術・極》を獲得しました』
『確認しました。技術系スキル《速射》を獲得しました』
『確認しました。技術系スキル《曲射》を獲得しました』
『確認しました。技術系スキル《
『確認しました。技術系スキル《
『確認しました。技術系スキル《
『確認しました。技術系スキル《
『確認しました。技術系スキル《
『確認しました。技術系スキル《
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『確認しました。技術系エクストラスキル《
『確認しました。技術系エクストラスキル《
『確認しました。技術系エクストラスキル《
『確認しました。技術系スキル《
『確認しました。技術系スキル《
『確認しました。技術系エクストラスキル《
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『確認しました。技術系スキル《
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『確認しました。技術系スキル《弓工理解》を獲得しました』
『確認しました。技術系スキル《弓工心得》を獲得しました』
『確認しました。技術系エクストラスキル《弓工極意》を獲得しました』
『確認しました。技術系スキル《騎射法》を獲得しました』
『確認しました。技術系スキル《歩射法》を獲得しました』
『確認しました。技術系スキル《巻藁前射法》を獲得しました』
『確認しました。技術系スキル《遠矢前射法》を獲得しました』
『確認しました。技術系スキル《差矢前射法》を獲得しました』
『確認しました。技術系スキル《要前射法》を獲得しました』
『確認しました。技術系スキル《
『確認しました。技術系スキル《
『確認しました。技術系エクストラスキル《
『確認しました。技術系スキル《
『確認しました。技術系スキル《
『確認しました。技術系エクストラスキル《
『確認しました。技術系エクストラスキル《
『確認しました。技術系エクストラスキル《
『確認しました。技術系エクストラスキル《
『確認しました。技術系スキル《
『確認しました。技術系スキル《
『確認しました。技術系スキル《
『確認しました。技術系エクストラスキル《
『確認しました。技術系スキル《
『確認しました。技術系スキル《
『確認しました。技術系エクストラスキル《
『確認しました。技術系スキル《
『確認しました。技術系エクストラスキル《
『確認しました。技術系エクストラスキル《英雄の歩法》を獲得しました』
『確認しました。技術系エクストラスキル《英雄の威厳》を獲得しました』
『確認しました。技術系エクストラスキル《英雄の神秘》を獲得しました』
『確認しました。補助系エクストラスキル《体力補正・Ⅴ》を獲得しました』
『確認しました。補助系スキル《魔力補正・III》を獲得しました』
『確認しました。補助系エクストラスキル《魔力補正・IⅤ》を獲得しました』
『確認しました。補助系エクストラスキル《魔力補正・Ⅴ》を獲得しました』
『確認しました。補助系エクストラスキル《筋力補正・Ⅴ》を獲得しました』
『確認しました。補助系エクストラスキル《防御補正・Ⅴ》を獲得しました』
『確認しました。補助系エクストラスキル《抵抗補正・IⅤ》を獲得しました』
『確認しました。補助系エクストラスキル《敏捷補正・IⅤ》を獲得しました』
『確認しました。補助系エクストラスキル《敏捷補正・Ⅴ》を獲得しました』
『確認しました。補助系エクストラスキル《集中補正・IⅤ》を獲得しました』
『確認しました。補助系エクストラスキル《集中補正・Ⅴ》を獲得しました』
『確認しました。補助系エクストラスキル《命中補正・IⅤ》を獲得しました』
『確認しました。補助系エクストラスキル《命中補正・Ⅴ》を獲得しました』
『確認しました。補助系エクストラスキル《器用補正・IⅤ》を獲得しました』
『確認しました。補助系エクストラスキル《器用補正・Ⅴ》を獲得しました』
『確認しました。補助系スキル《貫通超強化》を獲得しました』
『確認しました。補助系スキル《射撃超強化》を獲得しました』
『確認しました。補助系スキル《握力超強化》を獲得しました』
『確認しました。補助系スキル《ピンチ力超強化》を獲得しました』
『確認しました。補助系スキル《前腕筋群超強化》を獲得しました』
『確認しました。補助系スキル《上腕三頭筋超強化》を獲得しました』
『確認しました。補助系スキル《三角筋超強化》を獲得しました』
『確認しました。補助系スキル《広背筋超強化》を獲得しました』
『確認しました。補助系スキル《胸筋強化》を獲得しました』
『確認しました。補助系スキル《胸筋超強化》を獲得しました』
『確認しました。補助系スキル《大胸筋超強化》を獲得しました』
『確認しました。補助系スキル《集中力超強化》を獲得しました』
『確認しました。補助系スキル《洞察力超強化》を獲得しました』
『確認しました。補助系スキル《判断力超強化》を獲得しました』
『確認しました。補助系スキル《持久力超強化》を獲得しました』
『確認しました。補助系スキル《心肺持久力超強化》を獲得しました』
『確認しました。補助系スキル《瞬発力超強化》を獲得しました』
『確認しました。補助系スキル《筋肉適応力超強化》を獲得しました』
『確認しました。補助系スキル《動作間能力超強化》を獲得しました』
『確認しました。補助系スキル《連動性超強化》を獲得しました』
『確認しました。補助系スキル《俊敏性超強化》を獲得しました』
『確認しました。補助系スキル《均衡性超強化》を獲得しました』
『確認しました。補助系スキル《重心把握力超強化》を獲得しました』
『確認しました。補助系スキル《柔軟性超強化》を獲得しました』
『確認しました。補助系スキル《遠近感超強化》を獲得しました』
『確認しました。補助系スキル《視覚超強化》を獲得しました』
『確認しました。補助系スキル《聴覚超強化》を獲得しました』
『確認しました。補助系スキル《肺超強化》を獲得しました』
『確認しました。補助系スキル《心臓超強化》を獲得しました』
『確認しました。補助系スキル《反射神経超強化》を獲得しました』
『確認しました。補助系スキル《動体視力超強化》を獲得しました』
『確認しました。補助系スキル《運動神経超強化》を獲得しました』
『確認しました。補助系スキル《肺活量超強化》を獲得しました』
『確認しました。補助系スキル《三半規管超強化》を獲得しました』
『確認しました。補助系スキル《平衡感覚超強化》を獲得しました』
『確認しました。補助系スキル《危機感超強化》を獲得しました』
『確認しました。補助系スキル《体幹超強化》を獲得しました』
『確認しました。補助系スキル《闘争心超強化》を獲得しました』
『確認しました。補助系スキル《加撃増大》を獲得しました』
『確認しました。補助系エクストラスキル《超速演算》を獲得しました』
『確認しました。補助系エクストラスキル《予知演算》を獲得しました』
『確認しました。補助系エクストラスキル《演算処理高効率化》を獲得しました』
『確認しました。補助系エクストラスキル《魔力精緻操作》を獲得しました』
『確認しました。補助系スキル《存在感知》を獲得しました』
『確認しました。補助系スキル《虚偽看破》を獲得しました』
『確認しました。補助系エクストラスキル《鷹の目》を獲得しました』
『確認しました。補助系エクストラスキル《効果遠大化》を獲得しました』
『確認しました。補助系マスタースキル《英雄》を獲得しました』
『確認しました。補助系エクストラスキル《総帥》を獲得しました』
『確認しました。補助系スキル《敬慕》を獲得しました』
『確認しました。補助系スキル《決死》を獲得しました』
『確認しました。補助系スキル《効果範囲化》を獲得しました』
『確認しました。補助系スキル《勝利の余韻》を獲得しました』
『確認しました。補助系スキル《勝利への躍進》を獲得しました』
『確認しました。補助系スキル《白熱への挑戦》を獲得しました』
『確認しました。補助系スキル《苦闘への余裕》を獲得しました』
『確認しました。補助系エクストラスキル《
『確認しました。補助系エクストラスキル《
『確認しました。補助系スキル《弓兵の矜持》を獲得しました』
『確認しました。補助系スキル《弓士の矜持》を獲得しました』
『確認しました。補助系エクストラスキル《英雄の矜持》を獲得しました』
『確認しました。補助系スキル《風圧》を獲得しました』
『確認しました。補助系スキル《突風》を獲得しました』
『確認しました。補助系スキル《猛毒耐性・大》を獲得しました』
『確認しました。補助系スキル《麻痺耐性・大》を獲得しました』
『確認しました。補助系スキル《薬物耐性・大》を獲得しました』
『確認しました。補助系スキル《腐食耐性・大》を獲得しました』
『確認しました。補助系スキル《疲労耐性・大》を獲得しました』
『確認しました。補助系スキル《睡眠耐性・大》を獲得しました』
『確認しました。補助系スキル《気絶耐性・大》を獲得しました』
『確認しました。補助系スキル《混乱耐性・中》を獲得しました』
『確認しました。補助系スキル《混乱耐性・大》を獲得しました』
『確認しました。補助系スキル《恐慌耐性・大》を獲得しました』
『確認しました。補助系スキル《鬱屈耐性・小》を獲得しました』
『確認しました。補助系スキル《鬱屈耐性・中》を獲得しました』
『確認しました。補助系スキル《鬱屈耐性・大》を獲得しました』
『確認しました。補助系スキル《斬撃耐性・大》を獲得しました』
『確認しました。補助系スキル《刺突耐性・大》を獲得しました』
『確認しました。補助系スキル《打撃耐性・大》を獲得しました』
『確認しました。補助系スキル《貫通耐性・大》を獲得しました』
『確認しました。補助系スキル《破壊耐性・中》を獲得しました』
『確認しました。補助系スキル《射線の導き》を獲得しました』
『確認しました。補助系エクストラスキル《弓神の加護》を獲得しました』
『確認しました。補助系ユニークスキル《
『重複したスキルを熟練度に加算しました』
『幾つかのスキルの熟練度が一定に達しました』
『条件を達成しました。これにより新たなスキルが覚醒します』
『確認しました。補助系エクストラスキル《思考超速》を獲得しました』
『確認しました。補助系エクストラスキル《重複演算》を獲得しました』
『確認しました。補助系エクストラスキル《英雄覇気》を獲得しました』
『確認しました。補助系エクストラスキル《金剛体》を獲得しました』
『確認しました。補助系エクストラスキル《発見》を獲得しました』
『確認しました。補助系エクストラスキル《
『確認しました。補助系エクストラスキル《痛覚無効》を獲得しました』
『エクストラスキル《大欲》の権能が発動しました』
『これにより種族的特性を抽出、スキル化します』
『スキル化に成功しました』
『確認しました。補助系エクストラスキル《寿命長大》を獲得しました』
『エクストラスキル《貪欲》の権能が発動しました』
『これにより追加でスキルを三つ獲得します』
『確認しました。補助系マスタースキル《神速》を獲得しました』
『確認しました。補助系マスタースキル《真理》を獲得しました』
『確認しました。補助系マスタースキル《無間》を獲得しました』
……。
…………。
………………。
ああ……。
「よっと……。あ、なんだもう終わったの? 案外早かったわね」
クラウンがエルダールからスキルを習得して間も無く、一人の少女がテレポーテーションの羊皮紙を用いて転移して来た。
「……」
しかしそんな事など露程も感知しないとばかりにクラウンは無反応であり、一切そちらに振り向こうとはしない。
「──? ちょっと、聞こえてんの?」
「……ああ。ヘリアーテか」
語気を強めたあたりで漸く反応したクラウンにヘリアーテは安心する。
が、相も変わらずクラウンの反応は何とも緩慢で鈍く、
「ああって……。ちょっとアンタ、大丈夫? どっかマズイ所でも打った?」
「……ああいや。違う。少し、少しな……」
クラウンは自分の側に横たわるエルダールの死体と彼の持つ弓をポケットディメンションに仕舞い込むと唐突に空を見上げ、深く深く息を吐く。
「……アンタ、本当にクラウン?」
「む? どうしてだ?」
「いやだって、様子変だし。後なんか雰囲気? もなんか変わったって言うか……」
「そう、見えるか」
「え、ええ……」
「……」
「……」
「……」
「……いや何なのよっ!?」
業を煮やしたヘリアーテが叫ぶ。が、直後──
「心配させて悪いな、ヘリアーテ」
「──ッ!?」
声が、隣から聞こえた。そして目の前に居た筈のクラウンの姿が消え、気配が声の方からする。
つい先程まで──いや、一秒すら経っていない。
それどころかヘリアーテは瞬きすらしておらず、目も彼から離してはいなかった。
だがどのタイミングか全く解らぬ間に、気が付けばクラウンが彼女の隣に移動していたのだ……。クラウンから直接訓練を仕込まれ、唯一彼の動きを捉えてる事が出来ていた彼女が、だ。
「あ、アンタ──」
「なぁヘリアーテ。君が転移させられた拠点の敵は、殲滅したのか?」
「えっ!? い、いいえ……。ある程度片付けて、羊皮紙使う余裕が出来て直ぐに来たから、殲滅まではいってないけど……」
「そうか。グラッド達も?」
「うーん、多分そうじゃないかしら? 最優先は一応敵拠点からの一時撤退だから、多分アイツ等ももう直ぐ来るんじゃ──」
「よし。ならば私が手伝いに行こう」
「……は? ──ッ!?」
何を言っているのか、とヘリアーテはクラウンの顔をまじまじと覗き見、思わず全身に
いつもと変わらぬ筈の胡散臭い笑顔。しかし今回の笑顔は背筋を凍らせるほどの狂気と狂喜、そして押し留めている〝欲望〟を解放したくてタマラナイ……そんな恍惚とした表情が滲んでいた。
「……では行ってくる」
「あ、ちょっ……」
咄嗟に声を掛けようとしたが、既にそこにクラウンは居ない。
試しに感知系のスキルを使って探してみるが、まるで最初からクラウンなど居なかったかのように痕跡すら探れず、その場にヘリアーテだけが残されてしまった。
「……何なのよ」
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