第七章:暗中飛躍-19

 


「……と、まぁそんな感じだよ」


 ヴァイスは存分に語り終えると、そのまま自嘲するように空笑いし、小さく溜め息を吐く。


「一応有言実行は叶ったのだろう? そう俯く事もないだろうに」


「結果はね。でも僕としては正直、もっと上手く立ち回れると思ってたんだ……。副団長相手なんて、あの喋る動物が居なかったら死んでたろうしね」


 そう言ってヴァイスは再び溜め息を吐く。まったくコイツは……。


「シセラの言う通りお前は余りに未熟だな。命のやり取りをする上で過程を気にしていいのは真なる強者だけだ。お前程度が結果以外に何かを求めるなど驕りでしかない」


「……シセラ?」


 疑問に顔を上げたヴァイスが私の顔を見上げる。


「ん? なんとなく察していたと思っていたが、違うのか?」


「今の僕にそこまで余裕は──って、まさか」


「ふむ。来なさいシセラ」


 私は《召喚》を発動し、この場にシセラを強制召喚する。


 黒い光が地面に発生し、それが半球状にまで膨らむと徐々に光が収まり始め、光の中から顔を前脚で洗う一般的な大きさの赤黒い猫──シセラが出現する。


「……猫?」


 彼の反応を見るに予想していた猛獣ではなかったからだろう。現れた普通の猫でしかないシセラの姿に彼は首を傾げながら眉をひそめる。


 するとそんなヴァイスにシセラは半眼で睨み付け、呆れながら口を開く。


「察しが悪いですね。猫形態これは力をセーブした姿且つ世間から馴染み易い姿です。普段からあの姿なわけないでしょう」


「あ、ああ……成る程」


 シセラは「ふん」と鼻を鳴らすと私へと振り向き、そこからジャンプして私の肩へと飛び乗ってから再び顔を前脚で洗い始める。


「シセラは私の使い魔ファミリアだ。と言っても一般的な魔物ではないからそこは一緒くたにしないように」


「そりゃあ会話が成立しているからね。何となく理解出来るよ。それにしても使い魔ファミリア……。君はそんな力までも……」


「得られる機会があっただけの話だ。簡単に手中に出来るものではないぞ」


「うん。それも理解出来る。……それにしても──」


 ヴァイスは傍に置いていた剣を拾い上げながら腰掛けていた岩から立ち上がると、私と同じ目線で真っ直ぐ私を見て問い掛けてくる。


「正直な話、僕はもう君には完全に見限られていたと思っていたよ。まさか監視していたなんてね……。一体何の目的で?」


「シセラから聞いていないか? 今回の訓練での私の任務は犠牲者を一人も出さない事。その中には当然お前も含まれるわけだ。監視くらい付ける」


「いや、だが使い魔ファミリアなんて強力な個を僕一人に当てるのは少し過剰じゃないかい?  自惚れに聞こえるかもしれないが、これでも僕は学院生内じゃ君に次いで実力はあると自負しているよ?」


「何を言う。私から言わせればお前は他のどんな生徒より死ぬ可能性があったのだぞ。故にシセラを着けたのだ。理解出来んか?」


「僕が……他の生徒より?」


「自覚無し、か……」


 他の生徒達はまだまだ覚悟が足りていなかったとはいえ盗賊を討伐するという意志は確かにあった。故に命の危機に瀕する状況であるならば盗賊に剣を振るえ、トドメを刺せるのだ。


 しかしヴァイスは何が何でも鞘から剣を抜かず、不殺を貫こうとしていた。


 敵にトドメを刺さない以上、その相手から再度命を狙われるのは必定。当然危機に陥る機会も増え、誰より死ぬリスクが高まる。


 シセラ曰く、私の予見通り露呈した甘さに漬け込まれ背中を危うく切り裂かれそうになったらしいしな。まったく世話のやける……。


「お前は「敵を殺さない」という意味を今一度しっかり理解する必要があるようだな。そんな事では命が幾つあっても足りんぞ? いつまでも私が助けてやれるわけではないしな」


「ははっ……。君に言われると説得力があるな。うん。少し真剣に考えてみるよ」


「……いやに素直だな。以前のお前ならば何が何でも私の言を認めようとはしなかったと思うんだが」


「そう、だね。まあ色々とありはしたんだけど、決定打は訓練開始前の君の演説を聞いて、かな」


 私の演説?  けだし《統率力強化》等のスキルを使い演説に説得力を持たせはしたが、だからと言ってあんなものを聞いて心変わりしたというのか?  アレだけ正義を謳っておいて?


「……僕は正直、君が怖かったんだ。人をちゃんと殺せてしまう君に嫌われている事が、ね。だから君を正義を口実に否定し、賛同してくれる仲間を探し、君を慕う人を説得しようとした。本当に、僕は弱い……」


 ……なんだコイツは。


「でもあの演説で、君が理由なく人を殺める人でも、ましてや殺める事を愉しむ人でも無いと判った。間違っていたのは浅慮な僕の方だったよ。非礼を詫びる。すまなかった」


 ……。


 ……驚いたな。まさかこんな気持ちの悪い奴だとは思わなかった。


 一体どんな精神構造をしていたら、今まで目の敵にしていた相手にここまで真摯な態度と曇りなき眼で謝罪が出来るんだ?


 こんなにも真っ直ぐ歪める奴なんて前世でも出会わなかったぞ。どうしたらこんな精神性を構築出来るんだ。過去に……コイツの過去に何かあるとでも言うのか?


 理解出来ない……。


「……あ、それはそうとだ。君の態度を見るに、君が言う犠牲者0人という目標は達成しているんだよね?」


「あ、ああ……。軽傷者は多少出たが、重傷者と死傷者は出ていない。恥じる事のない成果と言えるだろうな」


 チッ。調子が狂うな。頭を切り替えなければ……。


「四つ全てのアジトでかい? 本当に、そんな事を?」


「……なんだ、その奥歯に物が詰まったような言い方は」


「だって、現実的に可能なのかい? 本気で殺しに来ている盗賊達相手に死傷者ナシなんて……」


「当然だ。何せ〝私が全て見ていた〟からな」


「……え?」


 正直大変だった。《千里眼》と《地獄耳》、それと感知系スキルを駆使し廃村アジトだけでなく四つ全てのアジトを常に覗き見し、命の危機に陥りそうな生徒を探して助け探しては助けをひたすらに繰り返していたのだからな。


 幸い生徒達が優秀な者達ばかりだったし、ロリーナやヘリアーテ達の協力もあって頻発はしていなかったが、《千里眼》と《地獄耳》の消費魔力は中々に高いのだ。魔力回復ポーションを何本飲んだか最早判らん。


 まあ、苦労した甲斐あり任務は無事達成出来た。これでまた私に対する評価が上がり、戦争後のキャッツ家に対する印象の回復に繋がるだろう。


「……」


「どうした? 何を固まっている?」


「ああいや……。率直に、君はスゴイな、ってさ」


「なんだ気持ちの悪い」


 おっと本音が……。


「はは、そうだね。……結局僕は、嫌われている君にすら気に掛けられるような未熟者、って事か。つくづく自分が、情け無い……」


「ふん。今更何を言う。以前私に正義だなんだと青臭い事を口にしたお前が未熟者でないわけないだろう」


「返す言葉もない……。君に切った啖呵が、今になって恥ずかしくなってきたよ。君と僕じゃあ、話にならない差がある。今回でそれを痛感したよ。だけど──」


 またもや自嘲するように薄く笑うヴァイスは俯きながら歩み出し、そのまま私に擦れ違おうというタイミングで再び小さく口を開く。


「僕はそれでも、誰一人殺さない。青臭くても、誰より死ぬかもしれなくても、それが僕の正義の一つだ。曲げないよ」


 ……。


「……二つだけ、教えてやる」


 ヴァイスは顔だけ振り向き、何とも言えない表情をしながら無言で耳を傾ける。


「本物の正義とは「綺麗事を現実にし続けられる事」だ。そして誰かを助けるという事は「助けた相手に責任を持つ事」だ。それが出来なければいつまで経ってもお前の〝正義〟は未熟者のままだ」


「……肝に銘じる」


 ヴァイスはそれだけ私に告げると、教師や生徒達が休む集合地点へと向かった。すると彼の姿を見た生徒達の表情が少しだけ明るくなり、立ち上がりながら彼に歩み寄って行く姿が見える。


「……宜しかったのですか?」


 肩に乗るシセラが横からそんな事を言ってくる。


「何がだ」


「彼にはもっと現実を知らしめるべきかと愚考します。アレでは彼は変わりません」


「いや。そもそも私は奴を変えるつもりなどないよ。私をして少々不気味に感じる精神性をしているが、だからと言って改変はしない」


「え。そうなのですか?」


「ああ。寧ろ変わってもらっては困るのだ」


「それは、どういう……」


「奴を見ろ」


 言われたシセラは言う通りヴァイスへと再び視線を向ける。


 そこには口々に彼に感謝を告げ、褒め讃え、慕われている姿があり、何の事情も理解していない者から見たらまるで彼が英雄か何かのようにさえ見えるだろう。


「人望には種類がある。私に向けられる畏怖や畏敬と、ヴァイスに向けられている憧憬や敬慕だ。片方に偏ると、もう片方は中々どうして手に入れ難い」


「成る程……」


「それ故私の元へ集う者達とヴァイスの元へ集う者達は性質が違うのだ。それはつまり私が手に入れられ無いものを、奴は手に出来るという事に他ならない」


「そんな。貴方様ならばそれくらい……」


「私は万能ではない。出来ない事など無数にある。故に、彼には私の代わりにその〝出来ない〟を補って貰うんだよ」


「それは……」


「奴にはその不気味なまでの未熟な正義感で優秀な人材を集めて貰う。中にはきっと、ヘリアーテ達やその部下となる生徒達では為し得ないスキルに目覚める者もいるだろうなぁ」


「つまり彼は……」


「ああぁ……。ヴァイスは私のスキル集めの〝生き餌〟だ。存分にその正義を謳い、千差万別、千姿万態な人材を集めて貰おうじゃあないか。私が将来回収する為の、ね。ふふ、ふふふふふふ」


 そう言って私が笑うと、シセラは一瞬その身を震わせる。自分では判らんが、さぞ〝素敵〟な笑顔になっているだろう。


 と、こんな所で油を売っている場合ではないな。


「さあ。今は将来のスキル集めより目先のスキル集めだ。ムスカっ、準備は良いか?」


 そう《遠話》を使い、アジトから遠方にある人目の付き難い茂みでとある準備をしているムスカへと声を掛ける。


『はいご主人様。恙無つつがなく準備万端でございます』


「それは重畳。では私が合図をしたら決行しなさい。良いな?」


『御意のままに』


「よし。ではシセラ戻るぞ。もう一仕事、張り切っていこうじゃないかっ!」


「はい。クラウン様っ!」







「あ、戻って来た」


 テレポーテーションで廃村アジトの集合地点へ戻った私を最初に見付けたのはヘリアーテ。少々慚無ざんない表情をしている彼女は、フラフラと私へ歩み寄ると胡乱うろんな目のままで睨み付けて来る。


「帰って来んの遅いのよっ! 生徒全員のメンタルケアとかどんだけ大変だったか分かるっ!?」


「すまないすまない。後でしっかり労ってやるから」


「言ったわねっ!? 美味しい物ちゃんと用意しなさいよっ!?」


「疲れが吹っ飛ぶものを用意してやる。期待していなさい。では皆んなを集めて来る」


 彼女にそれだけ告げ、散らばるロリーナ達を呼び集めに向かう。「絶対だからねぇーーっ!!」という彼女の叫びに、思わず笑みが溢れてしまった。


 方々を周り、漸く集め終えた五人の前に立ち、この後の事後処理について皆に伝える。


「さて。ではこれから四つあるアジトに転がる無数の盗賊の死体について説明する」


 すると開口一番、ヘリアーテが「ふん」と鼻を鳴らしながら呆れ半分確信半分で発言する。


「アレでしょ? アンタの事だからまたあのスキル使って死体スキルにしちゃうんでしょ? 趣味が悪いっていうか無駄嫌いっていうか……」


 彼女がそこまで言うと、次にグラッドが首を捻りながらそれについての問題点を口にした。


「でもぶっちゃけ怪しまれるよねー。アレって良くも悪くも綺麗さっぱり消しちゃうじゃん? 燃やしたって嘘吐いても焼き払った痕跡さえ無かったら流石にねー」


 そう。あの大量の死体が忽然と姿を消したら「どう処理したのだ」と疑問を抱く者が出て来るだろう。余りに不自然過ぎる。せめて燃えカスのような物が無ければ決して納得などしない。


「そうだな。痕跡無く死体が消えれば当然怪しまれる……。ならばどうすればいいと思う?」


 そう五人に投げ掛けると、ディズレーが頭を捻りながら絞り出すように口を開く。


「んん〜〜……。どうって、痕跡が残るような方法使やぁいんじゃねぇのか?」


 そう言う彼におずおずとロセッティが続く。


「だ、だよね。燃やしたなら燃えカスとか、埋める……のは本当はダメだけど、やったとしたら掘り返した土があったりしたら怪しまれないんじゃないかな?」


 確かに痕跡さえあれば怪しまれる可能性は低くなるだろう。最もポピュラーなのは火葬だが、ロセッティが言うように燃やした分の灰や焦げ跡等が無ければならない。


 だがやはり、それにも問題が付き纏う。


「数百人分の痕跡を用意するのも生半可ではないぞ?  燃えカスも掘り返した土も、どこから用意する? それならばいっそ実際にやってしまった方が遥かに効率的だ。趣旨とは外れるがな」


「そ、それは……」


「んん〜〜……」


「……ならば」


 言い淀むロセッティとディズレー。するとそれに代わるようにしてロリーナが何かを思い付いたように声を上げた。


「どうしたロリーナ?」


「痕跡を用意するのが生半可でないのなら、その場に痕跡を作ってしまうのはどうでしょう? 」


「ほう。例えば?」


「……少々残酷ですが、魔物が現れて、それらに食べられたような痕跡であれば、過程も含めて皆が納得するようなものになるかと……。これならばタイミング次第では死体も適度に残りますし、私達がその魔物等を退治すれば皆からの評価と魔物の死体もオマケに付いてきます」


 ほぉう……。


「アンタねぇ。それを言ったらその獣やら魔物はどうすんのよ?  燃えカス用意するより難しいじゃない……」


 すかさずヘリアーテが苦言を呈するが、それに対しロリーナは真っ向から首を横に振って否定した。


「そうでもありませんよ? あれだけの死体です。アンデッド化する前に必ずその死臭を嗅ぎ付けて魔物等が寄り付く筈。それを待てば或いは……」


「ふーん……。時間掛かりそうだけどねぇ。で?  結局どうなのよボス」


 頭を使うのに飽きたのか、ヘリアーテが答えを求めて私に視線を飛ばしながらそう言い、そんな彼女の言葉に追随するように五人の視線が私に集まり、結局どうなのだ、と目で訴え掛けてくる。


 わざとらしく私から彼等に質問したものの、既にその答えがあるのは全員察しての事だろう。


 ふふふ。私を理解して来ているじゃないか。


「結論を言えば、ロリーナの意見が近い」


「え、本当に?」


「だが魔物が寄り付くまで待つのは少々効率が悪いだろう? だからちょっとだけ用意してあるんだよ」


「よ、用意って……魔物をっ!?」


「ああ。やれ、ムスカ」


 ______

 ____

 __


『やれ、ムスカ』


「了解致しました」


 クラウンからの命令によりムスカは自身の横にある大きなカモフラージュの茂みを取り外す。そこには──


「ガウッ!! ガウガウッッ!!」


「グルルルルルルルルゥゥゥゥ……」


「ハァハァハァハァハァ……」


 そこにあったのは巨大な檻。目が血走り、牙を剥き出し、低く響く唸り声を上げる無数の魔物ハウンドウルフが収まるその檻は、ガチャガチャと音を立てて今にも崩壊しそうになっていた。


「分身体の準備完了。これより四箇所の檻を同時解放します。三……二……一……行きなさい」


 ムスカが檻の扉を開け放った瞬間、中にいたハウンドウルフ達が一斉に檻から飛び出し、真っ直ぐ遠方のアジトへと向かって駆け出す。


 無数の双眸そうぼうから走る赤い燐光りんこうが景色に線を残し、香る死臭に飢えを刺激され引き寄せられ。彼の地に惨劇を撒き散らす為に獰猛に走り去って行く……。


 __

 ____

 ______



「え、ちょ、どういう事っ!?」


 狼狽するヘリアーテに、私は努めて笑顔を向ける。


「言った通りだ。アジトの死体を荒らす魔物達を事前に用意しておいた。ムスカには今それを解き放つ命令を下したんだ」


「魔物を用意って……。どうやって……」


 ふむ。どうやって、か。


「実は少し前、エルフの国であるアールヴの大臣達を掌握した」


「……は?」


「その大臣達の快い協力強迫の元、奴等の管轄下が隠し持っていた大量の魔物の一部を、各アジトの遠方にあらかじめ潜ませていたんだ。そしてその魔物が収まっていた檻を、今ムスカとその分身体達に解放するよう命じた」


「え、エルフが……え? 魔物を隠し持っていたんですかっ!?」


「隠し持っていた、というより奴等がこっそり作っていたんだよ。昨今ティリーザラ国内で魔物が頻出していたのは知っているだろう?」


「ええ……。確かカーネリアでは漁に出るにも魔物討伐ギルド同伴でないとまともに魚を獲れないと、以前おばあちゃんに聞いた事があります」


「ボクはパージンって街の鉱山で魔物が沢山でるようになってるってちょっと前にボスから直接聞いたね。それも関係してる?」


「ああそうだ。どうやら奴等はティリーザラに潜入中、自国内で製造した「魔物化ポーション」を散布する道具を各所に設置し、バラ撒いていたようなんだ。我が国を混乱させる為にな」


「ま、魔物を作るポーション、ですか……」


 と、言っても実は持ち出せる数が余り心許なかったから私が魔物化させたものも混ざっていたりするんだがな。余り多いとユーリに気付かれる可能性もあった故、致し方無い。


 まあ〝あの作戦〟を実行する上でかねてより微調整を繰り返していた魔物化ポーションの実験をしたかったから丁度良かったりもする。


 実験結果としては上々。アレならば問題無く例の作戦に使えると判断を下した。


「で、今回はそのエルフが隠し持っていた実験個体だった魔物を使い、各アジトを襲わせる計画だ。これならば死体が無くなってしまっても少しの残骸さえ残っていれば説得力が生まれる。それに魔物が出た地など、立ち入ってわざわざ調査しようなどとは中々考えんだろうしな」


「え、ちょっと待てよっ!  死体はそれで良いとして生徒達はどうすんだっ!? それに放った魔物はっ!?」


「勿論生徒達は避難させる。の仕事の邪魔でしかないからな。君達が見付け出した部下達も、念の為一緒に避難させる」


「……ん? 私達?」


「……まさかクラウンさん」


「お察しの通り……。さあ五人共」


 私は満面の笑みを作り、五人に笑い掛ける。


「「「「「…………」」」」」


「これが本当の最後の仕事だ。死体を魔物共に食い尽くされる前に、全て狩り尽くすぞ」

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