第15話 俺の目を何だと思って、、、
アオside
ガッタガタに揺らしてもびくともしないドアに苛立ちながら、体力の無駄かとも思い、試しに抵抗を止めてみる。
すると浮かんでいた埃を被っていた机や椅子は舞い散る事もなくソッと床へと置かれた。
あ、俺が暴れてたから浮かしてた感じ? いやそれは違うか…元から浮いててビックリしたから暴れたんだし。
するとどこからかクスクスとささやき声の声量の笑い声が聞こえた。声をしたほうを見ると俺と似たような透明感ある自分そっくりな小人が居た。
………。
……おぉ??
目の前――と言っても数メートル離れているが――に俺にクリソツな幽霊?は呆気にとられている俺を見てまたクスクスと笑った。
どう反応しろと??(キレた)
その自分そっくりの顔立ちの小人は小人よりも実際は小さいかもしれない。なんというか妖精の方が近い気がする。大きさが手のひらサイズだし。
『お前は……』
と、俺が聞いてもずっとクスクス笑っているだけで話す気配が無い。取り敢えずは敵対心は無い、のか?
なんか、あれだよね。
自分より大きいのも怖いけど、自分よりずっと小さい存在も厄介というか怖いよね。
話は進まず気まぐれにドアをガタガタするが開かず。そのたびに少しの羞恥心と残念な気持ちが頭を占めた。
他のドアは試さないのかって?
俺はこのドアから入ってこのドアから出るって決めてるから。(謎ルール)
まぁ試してもこのドアと同じ結果になるだろうことは容易に想像がつく。
というかドッペルゲンガー……にしては小さすぎるし、でも顔はそっくり、オマケに服装も一緒だ。
トウリ君の方行きたいんだけどな。明日まで一人で待つとかせっかく”見える人”に会えたのに勿体ないし。というか明日学校あんのか?
しばらく時計の動かない教室でガタガタドアを気まぐれに開けようとしていると、数メートル先に居た小人(仮にも自分に似ている姿の奴を妖精と言いたくなかったために小人)がとてとてと走ってきた。
害意を加えるつもりは無さそうだったのでそのまま座った状態で彼? を待った。
そして俺の前に着くなりノーモーションでペカーー!!!と輝きを放ち、俺の眼球に致命傷を与えた。
うおおぉぉぉテメェ……俺の目をなんだと思っているんだ。
輝きが静まった後目を押さえた手のひらをソッと下ろしもう危険が無いか確認すると、先程まで居た彼はおらず、変わりに一匹の小鳥がいた。
ええぇ……。もう訳わかんない。
どうしろっちゅうねん。
…え?どうもしなくていい?
……あれ?喋ったぞこの小鳥。
さっきの小人で少し耐性がついたのか先ほどよりは落ち着いて見れた。
自分が
ピィピィと此方に何かを訴えかける小鳥に首を傾げた。さっき喋ったように聞こえたはずだったけど気のせいだったのか?まぁ細かいことは気にしなくてもいいか。
小鳥に手のひらを差し出すと小鳥はピッピと鳴きながらばっさばっさと翼を広げながら乗った。
『お前、俺と同じ幽霊なのか?って言っても俺も幽霊だって誰かに言われた訳じゃないから分からないけど』
『ピィー』
まるでそうだと言っているようだ。言葉分からんけど。
『さっきのってお前がやったのか? あの物浮かしてたヤツ』
『ピィー』
さっきと全く同じの鳴き方に聞こえるしイエスってことかな。
『じゃあドア開けてくれないか?』
その言葉に了解と言わんばかりにピー!と一鳴きすると、ドアが独りでにピシャーーンッッ!と、既視感ある勢いの良さで開いた。
……まぁ鳥だし、幽霊だし…仕方、無いよね?
うん。そう自分を納得させて俺は埃まみれの教室からやっと出ることができたのだった。
でも力加減は覚えようね。凄いんだけど危ないわ。
あまりの勢いの良さに危機感を覚えたアオだった。
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