第8話 ヤンデレはちょっと、、、ゴメンね。
分、裂、だと??
はぁぁぁ?!! え? 人間の範疇越えてね?幽霊の俺にも出来ないよ。たぶん。やったことないからわからないけど。
ヒカルクン二号はドドドドッと駆けてトウリくんとヒカルクンの下へと到着した。足音凄いね。どっからその音鳴ってんだろう。君そんな体重無さそうなのに。やっぱその髪が重いからか(確信)。
ヒカルクン二号はトウリくん達の下へ着くなりトウリくんに声をかけていた。ヒカルクンに声を掛けることなく。
???
あれ、存在を認識していない、、、?こんなにもインパクトあるのに。いやお互いにか。
一方トウリくんはというと、、、。
どす黒い空気を出し眉間にこれでもかと皺を寄せていた。
あまりのどす黒さに周りの生徒は震え上がり、みな涙目になっていた。小柄な生徒も大柄な生徒も関係無く。チワワのようにぷるぷると震え、縮みこまっている。なんかかわいそうになるぐらい震えてる。
さっきまで殺気立っていたのが嘘のようだ。
なんでか俺にとっては居心地の良い空間が出来上がっているけど。思わずトウリくんに抱きつきそうなくらいだ。いや流石にしないけど。どん引かれそうだし。
やっぱ幽霊になって影とか陰気な場所が良く感じるのかな?基が不確定でよくわからんが。
だが、そんなトウリくんに構わずヒカルクンとヒカルクン二号はトウリくんに話しかけている。
こ、こいつらやっぱり神経がどこかやられているんじゃ、、、。病院、精神科医の方まで行った方がいいかと。
そんな俺の声も当然届かず、彼らはトウリくんへ話し掛ける。ヒカルクン達はヒカルクン達で互いの存在を無視しているようだった。なる程これがカオス。
そこで神の一声ならぬトウリの一声が掛かった。
「、、、もう直ぐで昼時間が終わる。授業へ遅れないように早く行きたいんだ。邪魔をするな」
怒鳴っている訳でも無いのに相手を
そこでハッとした俺は慌ててトウリくんを追った。
そしてもう直ぐで追いつくかという時、俺の優れた耳に誰かの声を拾った。
「__うして、どうして、アイツは居なくなったのに、、、なんで、、、」
続く言葉は扉が閉まることで聞こえなくなった。少し気になり振り返ったが、重い扉は堅く閉ざされていた。
きっとあの声は近くに居た者達には聞こえなかっただろう。俺が出遅れて距離がまだ少し近かったのと、耳が進化して優れたものになったから聞こえたモノ。
果たしてアイツとは一体誰の事なのだろう。不穏な気配を感じる。いや、先程からかなり不穏だったか。主にトウリくんが。
ただ先ほどの声の主がなんかヤンデレみたいだな、と思ったのは秘密だ。そしてヤンデレはちょっと苦手だな、とも思った。
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