第7話 ホント物は大事にしてほしい。扉さん泣いちゃうよ?
ヒカルクンも席に着いたのかメニューが書かれていると思われるタブレットを凝視している。果たしてあの瓶底で見えるのだろうか。
横から視線を感じるが気にしたら負けだ。食べる音はするため此方を見ながら食べているのか?器用な奴だな、、、。
ヒカルクンは注文するものを決めたのか口だけしか見えないが口角が上がっている為楽しみに待っているんだろう。他の、、、周りの者達との温度差が激しいが。
ヒカルクンと同じ席に着いている男子生徒もヒカルクンを見てニコニコと見守っている。周りの生徒たちのように悪感情は抱いていないようだ。たぶん。一番確かなのはあの中でニコニコ笑っていられる二人の神経が図太いことだということだけだ。
するとヒカルクンの下に料理が届いた。あれ、自分で取りに行く形式じゃなかったのか?さっきのポテトの生徒は何だったんだ。ハッ。さては任意で決められるのか。
ヒカルクンは大きな声で料理を運んでくれたウェイターに礼を言いオムライスを口にかきこみ始めた。
、、、なんか礼儀がなっているのかなっていないのか微妙なところだな。兎にも角にも礼を言えることは良いことだ。
すると隣からカチャ、と箸を置く音が聞こえた。そちらを向くと先ほどのハンカチで口元を拭っている姿が見えた。皿には米粒一つ残っていない。
いいね!(*^▽^*)b
ガタリッと席を立つと食器の乗ったトレイを持ち、歩いて行った。食器は自分で返すのか。いや俺が知ってどうするという話だが。
辺りをキョロキョロ見渡しながら俺のことが見える生徒へ憑いていった。いやもうこれは取り憑いていると言って良いのか、、、?それほどくっついてないし今の所違うかな?割とどうでもいいことをうんうんと唸って考えていると、軽い駆け足が聞こえてきた。
「トウリ!!」
漢字は分からないが恐らく人の名前を呼んだであろうヒカルクンを見た。君さっきまでオムライス食べてたけどそんな走って大丈夫なん?俺なら考えるだけで戻しそう、、、ウップ。
走ってきたヒカルクンは俺の下、、、ではなく俺がついて行っていた視える人の下へと駆け寄った。名前トウリって言うのか?後で聞けばいいか。
名前を呼ばれたトウリはピタリ、と足を止め。少し不穏な気配を出し始めた。
どしたんトウリくん?怖い顔、はしてないけど雰囲気が食堂で未だに殺気立っている子達と同じ雰囲気だよ?黒いよなんか。
ちょっとシリアスな雰囲気感じる、、、。
すぅー、、、誰かぁーーー!シリアスブレイカーしてくれる人呼んでーーー!
なんか陰気な雰囲気だからか居心地いいけど気持ち的によくない!体は喜んでても心は全く喜んでない!無理!
落ち着かない心のせいかうろうろオロオロしているとトウリくんはヒカルクンに目を向けた。因みに顔だけ向けて体は動いていていない。体は出入り口の方を向いている。
どんだけ戻りたいんだ、、、。
幽霊だし俺にできることなんて無いに等しい。こんな時サイコキネシス的なの使えたら、、、いやそれはそれで力を持て余しそうだ。
すると、、、バァァァァアアアアアンッッ!!!!!
なんと本日二度目のドアばん頂きました!
いやこの扉に一体何の恨みがあるというのか、、、。ホント可哀想になるぐらい音が出ている。あーカワイソ!
はぁ。今度は何だよとばかりに其方を向く。二度目ともなると飽きてくるよね。
そして見やった先には、、、!
、、、、、、、、、え?
いや、、、え、まじかよベイベー。
なんと視線の先には二人目のアフロが居た。
分裂したのかな、、、。
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