第4話 爆音アフロ、、、?(アフロに失礼)

 いやー方向音痴じゃなくて良かったって心から言えるね。校舎の周り一周して思った。花束の元に戻ってきた気持ちはまるで、そう、、、セーブポイント我が家へ戻ってきたかのようだった。


 窓を見ると生徒達が足早に歩いていた。(先程のは忘れてくれ。渾身のボケだったんだ、、、(ノД`))


 幽霊は何か越しに見ると見えることもあるらしいけど本当だろうか?俺が知っている中だと眼鏡と鏡とか水面越し、、、くらいしか知らないな。なんか眼鏡だと元々目が悪いとプラマイゼロになりそう、、、とぼんやりと思った。硝子ガラス越しだとどうなんだろ?まぁ今の俺が調べるのは難しいか。


 生徒たちは教科書らしきもののと筆箱を持っているため移動教室なのだろう。勉強か、、、幽霊となった俺には縁遠いモノになったのだろうか。いっそのことついて行ってみようか?第一の目標である校舎一周は達成出来たため次は校舎の中を探検するか。よし、決定!


 あ、そういえば幽霊って壁通過出来んのかね?ほら、ホラー映画とか漫画でゴーストが壁をすり抜けてく感じの奴。、、、出来そうな気がする。いやでも怖い、、、。ゲームのバグみたいにすり抜けられるのかと思ったら壁が突然トラップのようになり壁から抜け出せなくなったりしたことない?なんか突然頭にそんな考えがよぎった。試しに想像してみよう、壁から抜け出せなくなった未来を。

  

 ポワンポワンポワン~~ただ間抜けな奴、、、そしてもし俺以外に幽霊が居て俺のこと見えたら一生の恥どころじゃないな、、、いつ成仏するかも分からんし、、、よし!危険な橋は渡らない主義だ。というか空中浮いてるだけいいと思えばいいだろ。うん。

 一人勝手に納得していたのだった。


 ということで、ドア開けられないかな?というか開いてないかな?この場所、、、校舎でいう裏側なため下駄箱から遠い。なので当然裏口の扉の方が近いのである。窓開いてたらそこからでも入れるか。というか俺今幽霊で浮いてるしワンチャン飛べるくね?やってみるか。位置について、、、(一応花束のある場所から離れた)よーい、、、スバァン!!


『!』


 びびびっくりした、、、。驚いたせいで勢いよくすっころんじまったじゃないか。どうしてくれんだ。痛く無かったから許すか。よく考えれば浮いてたし俺。なんかどっかの某猫型ロボットみた、、、いやなんでもない。


 そもそも誰だこんなデカい音出したの、、、と、音の発生源の方へ顔を向けると黒い塊が見えた。


 え?、、、、、、どぅえ?(どうした?と言いたかった模様)手が見えるため人間だろう。が、しかしあの頭(?)はどういう?アフロ、、、とはまた言い難い重厚感のある髪型だ。こう、アフロをギュッと固めた感じ?重そうだな。肩と首こりそう。


 場所でいう2階か?の窓のふちに手をかけて外を指で指していた。君、もう少し窓を大事にしようか。窓が悲鳴上げてたよさっき。もはやうんともすんとも言ってないけど。


 そしてソイツは言った。「外綺麗!!!」と。爆音。そんな言葉が一番あっていた。


 ま、まさかアイツ、、、その一言を言うために窓を開けたというのか、、、!?

 衝撃の事実に俺が影で愕然がくぜんとしていると、そんなアイツを肯定するような声が少しだけ聞こえた。「そうだな」「ヒカルの言うとおりですね」「そうだねー」「うん」などなど多分他にも人は居るだろうが流石に人の人数が多すぎて聞き分けられなかった。俺の頭の処理が追いついていないみたいだった。(後で考えると俺も混乱していたんだと思う)


 何だったんだアイツ。恐らくヒカルという名前の人物は嵐のように去って行った。


 窓を開けっ放しのまま。


 そこでハッとした。あそこまで行ければわざわざ別の場所探さなくてすむな、、、。てことでジャンプッと、無事に窓の縁まで届いた。さっきあんなに身構えていたのが恥ずかしっ。忘れるか。


 にしても先程のジャンプ、飛ぶというよりも跳ぶの方があっている気がするな。体が強化された感じ?などと考えながら校舎の中へ案外あっさりと入ったのだった。

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