心の中の日記 1ページ
一日目
心の中の日記を始めた。
何やってんだって?忘れないように一日の振り返りをするんだ。
(きっとすぐに忘れるだろうけど)
○月×日と書こうかと思ったが日にちが分からなかった為、没になった。
今日この日に目が覚めた。幽霊になったことに気づいた。
夕方だった。月が明るく見えた。
寒くは無かった。
暑くは無かった。
温度を感じなくなった。
風が体を通り抜ける感覚を始めて知った。俺はこの世界に存在していないのだろうか。
音が聞こえる。
目も見える。
自分の体を触る事が出来た。他の物に触れられるかはまだ分からない。
家族、友人、周りの人間を思い出せない。
顔、声、姿が今思いつく限りだと思い出せない。
(人の特徴を覚えていないため)誰にも当てはめる事の出来ない名前は知識として覚えていた。
目が覚めた場所は学校の敷地内。校舎と木々の間だった。
夕方にしては明るい気がする。
白と青い花が俺の足下に置いてあった。校舎沿いに花束は置いてあった。2束程あった。
花言葉を知らないことが悔やまれた。何か手掛かりがあったかもしれないのに。
今日は月が登るまで花束達を目に焼き付けていた。
おかしい真夜中の筈なのに木々の下が明るい。
校舎の中も明るい。
月光というわけでは無さそうだ。
幽霊となったことで体が変わったようだった。
何となくだが月の光が体を癒している気がする。
温度は感じない筈だが暖かい気がした。
これからの目標は花を手向けた者達を知ること、次に自分の記憶をさがすこと。
今日は幽霊人生初めての目標が決まった記念日。365日目まで存在していたらその頃には目標は達成しているかもしれない。そうだったら良いな。
明日は何をしようかな。
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